昭和時代の「プロポーズの伝統」:愛の告白とその演出
チホズスタジオ
産業カウンセラーの鎌田千穂です。
福岡市でオンラインや訪問を中心としています。
事業内容は産業カウンセリング及びコンサルティングサービスです。
チホズ文字分析による、人材分析及び提案も行っています。
目次
昔から新人は何でも過剰に受け止めがち
国や大手企業の多くは、働く方々の入社時期や配置換えをしたばかりの方に対して産業カウンセリングを導入しています。
そこで、私も業務委託や直接契約で企業から依頼があるわけです。
私の場合は300名前後でしたら全従業員を対象に数ヶ月かけてヒアリングを実施。
他には、全国やグローバル展開している法人の実態調査。
定着率や業績向上を図るために、産業カウンセラー協会や他の企業が受託した事業案件を、数十名体制のチームでプロジェクトとして引き受ける事も多々。
そんなコトを10年以上やっていると、メンタルヘルス不調のスイッチが入る初期段階に気がつくのです。
そう、いわゆる精神的不調に陥る入口にいる方の多くが、以下の状況に陥りがち。
- 向上心が暴走した誤認識
- 経験の偏りから、情報を切り取り理解することで偏見に歪む
- 情報処理内容に関し、必要以上に重く受け止め不安になる
- 求められていない自己満足の理想を追い求め、難しいと思い込む
- 依存体質による被害者意識から発生する「~してくれない」の不満を抱える
- 関連付けがなされておらず、応用することの情報処理の停止による失念
- 感情論による論点のズレと認知の歪み
- 言葉尻に過剰に反応するあまり、本来の意味を見失う
とはいえ、今も昔も人は成長過程で同じ道を辿るものです。
ハッキリ物事を言える方かそうでないかの違いはあれど、今も昔も変わっていません。
そこで、教育担当に当たる方は、洞察力を高めて、早い段階で様子に気がついてフォローをする事が必要になるんです。
国や大企業が率先して産業カウンセリングを導入する理由
ですが、時代の流れで大きく変わったのは企業で働く方々の接し方や対応力。
一昔前の日本は企業の中に人が溢れていました。
人間味溢れる付き合い方が中心だった時代。
マンツーマンで家族のように関わる事も多かった。
「やって見せて、言って聞かせて、させてみて、褒めて育てる」
そんな関わり方が主流で、何だか近所のオジさんやオバサンが沢山いるような気になる時代がありました。
ですが、一人の役割が大きくなっている今の時代。
そんなコトをしていると自分の仕事は片手落ち。
仕事を抱え込んでいると人のコトまで構ってはいられない状況が見られます。
ですが、老若男女問わずに殆どの新人は、はるか昔から同じことに沼ります。
負の思考にとらわれると、はじめは小さいものですが、どんどん肥大化していく。
肥大化すると不安から、過剰に受け取り始め、初期段階で心が乱れやすくなります。
特に中途入職であると下記のことをよく言われ自信喪失気味。
- 職場の方々には本音を言えない。
- 早く覚えたいのに、なかなか仕事が覚えられない。
- 思っていた仕事と違って、こんなはずじゃなかった。
- 前の会社とやり方が違う。
- 教えてもらっているのにさっぱりわからない。
- もっと優しく言ってほしいのに言い方がキツイ。
- 教え方に棘がある。
みなさんも思いたる内容がいくつかあるのでは?
こういった思考にとらわれてしまいパフォーマンスが落ちる方々が続出。
そうなると職場の同僚や上司の一言は過剰に受け取っていることが多く、直ぐに切り替えられない方も多々。
そこで、外部委託で産業カウンセラーの業務に白羽の矢が立つことに。
新人や既存職員の相互負担を軽減するための秘策が産業カウンセリング。
産業カウンセラーを通じて、早期発見・早期対策・早期解決に着手し、業務改善・組織変革の試みが始まったのです。
産業カウンセラーは広い知識と情報を持っている
そもそも、企業側が知りたいのは、
- 全体的に捉えて、働く人達がどのように感じているのか
- 全体的に見ると、どの部門に課題がありそうか。
- 全体的に知ると、自社の課題は何かを捉え、どのように改善すべきか
反対に、個人の抱える私的で具体的な情報は知りたくありません。
なぜなら、私的情報を知れば知るほどに、個別対応が必要になる。
そういったことは避けたいもの。
ですが、目をつぶっていては企業の発展は見込めなくなります。
人が育つからこそ、企業が育つことを理解していることから、人の心と健康への責任を果たす役割として、社会的立場からくる事業使命と責任を担うために産業カウンセリングを導入しているのです。
産業カウンセラーは人材戦略を立てる逸材
産業カウンセラーは今でこそ民間資格になりました。
もともとは旧労働省の公的資格ということもあり、労働基準を把握し傾聴することが軸。
そして、心理学的手法に基づいて認知の歪みを解いていく役割があります。
ですが、個別対応だけで終わりでしたら心理カウンセラーが担えば良いこと。
産業カウンセラーの役割には、もっと深い内容があります。
それは、産業カウンセリング情報を元に、何に対して課題が発生しているのか分析や統計に基づく見立てを立て報告書を上げるなど、組織の経営戦略の一つ、人材戦略について意見を述べることやコンサルティングを行うことが本来の役割。
職場で本音を言えない方々の話を利害関係がない外部の人に話すことで課題を見つけていくもの。
中には、主観で物事を捉えている方々の話を、客観的な立場で伺い、情報を削ぎ落として取捨選択。
そのから、必要な改善策を見出す大事なところを担います。
そのことで法務・労務・財務・総務・業務含めた管理部門についての把握はもちろん、企業の役割を含めて、最新の情報を更新し、様々な士業とつながりプラットフォーム的役割を担うことも求められているため、様々な情報に精通しておくことが必要なんです。
産業カウンセリングの始まり物語は下記をご参考に
20世紀初頭から始まった産業カウンセリング
産業カウンセリングと教育測定運動から進化した心理テスト
産業カウンセリング 心の健康から職場の繁栄へ
新人が過剰な期待に捉えてしまいがちな内容
老若男女問わない新人。
過剰な期待と感じた場合、企業にとっても職場にとってもリスクになる。
メンタルヘルス不調気味の方は、自分を信じられないのか猜疑心がとても強い。
そこで、既存職員の言葉に対して期待をされていることを重く感じる内容の一例をお伝えします。
今回は、採用人員が1~2名程度の増員後に陥りやすい状況について。
夢を語るのは素敵だけれど・・・
「あなたはどんな〇〇、もしくは〇〇をしたいと考えていますか?」
自社の夢を語り、ビジョンを共有することはとても大切です。
そして、新人のどんな〇〇になりたいのかを知りたくなる。
ですが、その思いを過剰に背負ってしまう新人がいることをお忘れなく。
自社の将来像や目標を話すことは大切。
とはいえ、それを新人に「これ、君の夢でもあるから!」ってなると、新人は「どうして自分がそこまでやらないといけないのさ?」と押し付けに感じているようです。
経験値への期待、それって重すぎ?
過去に採用人数が少なく、退職した人の補填であると、退職者の役割を直ぐにでも担えると考えがち。
企業が勝手に作り上げた暗黙ルールが分からない新入社員に、多くを期待してしまいます。
その結果、新人に大きなプレッシャーをかけてしまうことに。
気持ちはよく分かる。
ですが、新人に対して「君は経験してきたから、私が言ったことは理解できるよね!」と期待しすぎるとプレッシャーに。
「え、無理なんですけど...」と退職してしまう。
もしくは、期待されていることに応えようと空回りを始め職場の人間関係が悪くなるのどちらかになっているようです。
他にもありますが、長くなるのでここまで。
新人の悩み:どんなに優秀でも新人は新人
年齢や経歴に関わらず、新入社員は誰でも新人。
頑張り屋さんなら理想に達しない自分に悩むことも多々。
協調性を重んじる人は目立つのを避け、存在意義を大切にする人は「NO」と言えなくなることも。
接客が得意な人は機嫌を取り、本音を言わなくなることも。
「新人はみんな新しい環境でドキドキしているんだから、期待を伝えることは逆効果!」と心得ましょう。
人の成長には魔法のような近道はない
人は気合と根性だけで成長するわけではありません。
自分が関わることで相手が
「頑張ります」
「大丈夫です」
「すみません」
という言葉が連呼されているなら深刻な問題の入口です。
そのことで、あなたの対応力のスキルアップが期待され時でもある。
人の成長には、その方の軸となるものへ見立てを立て、その軸に対して必要な技術やテクニック、基礎力を高めていくことを始めて見てください。
「叱咤激励だけで人が成長するなら、全員オリンピック選手になれますよね!」というくらい、現実はそんなに甘くありません。
まとめ
現代では、少子化や共働きが進む中、企業が人材を採用したら、人間基礎力を育む必要があります。
もちろん育成には経費がかかります。
ですが、会社のために働いてきた職員が家庭を作って来た。
時代が便利になり、あなたが経験してきたことを経験していない人たちが育まれた。
企業が将来的なことの見立てが浅かったからこそ生み出したもの。
だからこそ、そのしわ寄せが来たと認識して取り組むことが大切です。
自分も新入も成長できる環境を整えましょう。
皆さんも、自社の育成方法に対して見直してみてはいかがでしょうか?