リーダーの素質「リーダーシップ論の変遷」
管理職育成コンサルタントの岡本です。
先日、北海道の弟子屈町で開催された100kmウォーキングの大会に参加してきました。
個人での参加も可能でしたが、私は仲間と参加し、総勢8人のチームで歩きゴールすることができました。
歩きながら「組織」について考えてましたが、あなたは「組織」についてどの様に考えていますか?
今回、私たちは20代から60代の男女(男性5人、女性3人)、100kmを何度も歩いている経験者もいれば、初めて歩く人もいる。
何度も会っていて良く知っている人、以前に同様の100km大会で一緒にある事のある人、SNS上では知っているが実際にお会いするのは初めての人、現地で初めて会った人、今回のメンバーはこの様な状態でした。
C・バーナード(1886年~1961年)によると、組織の3要素として、「共通目的(組織目的)」、「協同意志(貢献意欲)」、「コミュニケーション」が必要といわれてます。
今回の私たちの「共通目的」は「制限時間内に“全員で”ゴールする」でした。
チェックポイント毎に制限時間が定められており、25時間30分でゴールしなければならない大会なので、「制限時間」という言葉が常に念頭にある。
“全員で”については大会の規定としては単独でゴール(※夜は1人であるいてはいけない決まりはある)しても良いのです。なので、私自身も「もし、自分が故障して歩けなくなったら、かまわず置いていって」と考えておりました。
でも、歩いているうちに「みんなでゴールしよう」という思いが強くなり、いつしか、「共通目的」になってました。
協同意志(貢献意欲)これはどうだったか?
協同意志を「役割分担」と考えてみると、どの様な役割分担だったか。
今回、私たちは日頃からコミュニケーションを取っているメンバーではありません。年齢も仕事もバラバラ。
それなので、自然発生的に100kmのベテランの方がリーダー的な役割をしていただきました。
できれば北海道の自然を満喫しながらゆっくり歩きたいし、チェックポイントではゆっくり休憩したい。でも、制限時間があります。時間と距離とペースと疲労度を考えて、「休憩時間10分で〇〇時に出発しましょう」と決めてくれました。
また、先頭で一定のペースで歩くペースメーカー役割。足の故障が出た時に応急処置をしている間待っている役割。途中でメンバーの準備が遅れた時に残って伴走する役割。チェックポイントで振る舞われるエイドをまとめて取りにいったりする役割。
そのほか、100kmも歩かなければならないので、準備物を多く持っていればより良く歩けますが、重い荷物は体力を奪うため荷物を極力軽くして、自分の最低限の物しかもってない状況です。そういった中、自分の携行食や準備物をお互いに貸し借りしてフォローしあったりしてました。
「共通目的」がはっきりしていたので目的を達成するために、自分が「その時に出来る事を出来る範囲内で最大限実行」してました。
コミュニケーションはどうだったか?
「共通目的」があり「協同意志(貢献意欲)」があっても、私たちは初めて会った人同士の方が多い集団なので「気心がしれている」わけではない。
「全員で完歩」という大変目的(※実際に約170人参加のうち約50人弱が途中リタイアだったそうです)を達成するためには効率よく行わなければ、体力的にも精神的にも消耗してしまいます。
そのために、「会話によるコミュニケーション」が重要でした。お互いに、口にださなければ伝わらないのできちんと声を出して表現する様にしてました。
さらに、歩いている時も、大会に参加しているそれぞれの「想い」。足の痛み、眠気、空腹感、トイレに行きたい、もうやめたい、などの体からの訴えや、制限時間のプレッシャー。
こういった事をはねのけ、お互いにサポートしあったのも「会話によるコミュニケーション」でした。
歩きながら、お互いに自分の事や考えている事などを話しているうちに信頼関係がより強くなっている事も実感でき。
コミュニケーションを通じてチームワークが醸成できた印象があります。
最近、複数人が係る事で上手くいった事ありませんか?
その内容を「共通目的」「協同意欲(貢献意欲)」「コミュニケーション」の3つ方向から考えてみてください。
そうすると、きっと「あ、組織ってこういう事なんだな」と実感できると思います。