自分を責める声や思考が続くとき、何が起きているか

西岡惠美子

西岡惠美子

テーマ:心が辛くなったとき

自分を責める声や思考が続くとき、何が起きているか

自分を責める。
最近、そんな時間が増えていませんか。

何かが進まないとき、「結局、私が弱いからだ」と理由を自分に引き取ってしまう。
ちゃんと考えているし、責任も状況も分かっているのに、それでも前に進めないときほど、人はそう考えがちです。

この記事は、あなたに「明日から何をやろうか」という答えを出させるためのものではなく、答えを出そうとして張りつめている思考を、いったんその場に置いて読むための時間です。


1.「私が弱いから」と思ってしまうのは、どんなときか


何か問題が起きたり、行き詰った時、「もっと頑張らなきゃ」と自分を奮い立たせますよね。
だけどそのままずっと頑張り続けることは難しい。
頭では「もっと頑張らなきゃ」と言い続けているけど、目指しているようには頑張れない。

「頑張ってないわけじゃないのに、どうして?」
「ちゃんとやるべきことはやっている。これが『頑張る』ことだよね」
「なのに結果に繋がらないなら、問題は私の中にあるに違いない」

すると心の中で「頑張らなきゃいけない場面で頑張れない。それは私が弱いから」と自分を責めるフレーズが渦巻き始めます。

頑張ってるけど成果や結果が出ない。頑張るってもっと前に進んで、周りから認めてもらって、自分もやる気が出て気持ちいい状態になれるはずなのに、そうじゃない。

今自分がやらなければいけない「頑張る」が何かは、理解できている。だけど実行できない、決めきれない。

「それは私が弱いから」という言葉が、またここで湧き上がってきてしまいます。

2.覚悟・気合・前向きさで、越えようとしてきた過去


何かあったとき、つい「私が弱いから」と自分を責めるのは、きっと今までにも繰り返してきた状況ではないでしょうか。

  • 経験したことがない事態と向きあったとき
  • 自分の手に余る役割を任された時
  • 誰かの責任を負わざるを得なかった時


など、なんとかその場に踏ん張って、耐えて、無我夢中で手探りで乗り切って来たのではないでしょうか。

「この難局を乗り越えたら、それはきっと自分にとっていい経験になるはずだから」
と、苦しい中でもプラスを見つけて踏ん張って来たのかもしれません。
いえ、もしかしたらプラスを探す余裕も無かったかもしれません。
全てが終わったあとに誰かから「良い経験になったよね」とか言われて、そういうものか、と感じたのかもしれません。

そういうものか、と思いつつも「でも……」という消えない何かを握りしめていたのではないでしょうか。
だから「乗り切った」としても、満足や達成感は手に入らなかったのかもしれません。

『もっといい方法があったはず…』
と悩んでしまうかもしれません。それも事実かも知れませんが、あなたのそのやり方は、この時点では合理的だったのです。
なぜならあなたは、その時自分が持っているものをフル活用して難局を乗り切ったのですから。

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3.それが、あるときから効かなくなった瞬間


ずっと自分が出来ること、思いついた方法で一人で頑張ってこれた。
それはそのまま成功体験です。自分のやり方ですよね。
だから次々降ってくるトラブルや困りごとも、そのやり方で乗り越えてきたのだと思います。
私はこれで大丈夫、という自負もあったでしょう。

なのに、大丈夫じゃない状況と向き合わなければいけない瞬間がやって来たのではないでしょうか。

一見、今までと同じようなストレスフルでどう取り組めばいいか分からない問題。
だけど「いつものやり方で今回も何とかしよう」と向き合ってみた。
なのに思ったようにことが進まない。

困ったぞ、と思うのと同時に、ショックも受けていたはずです。
そこそこ自信を持てていた自分のやり方が通じない、なんで?どうして?これまでとどう違うの?
どんなに考えても分からない。だけど「分かる」ようにしないといけない。

なんとかしなければ、と言う気持ちばかりが先に進む中でふとこんな風に考えることはなかったでしょうか。

「ここまで頑張っても駄目なら、やっぱり私側に落ち度があるんじゃないのかな…」

今までと同じ頑張り方をしているのに解決しない。その原因は「自分」にある、と思ってしまうのですよね。
ここまで読んでいただいてお気づきかもしれません。
あなた自身は前と変わっていないのです。
変わったのは状況のほうなのです。

4.それでも「私が弱いから」と考えてしまう理由


自分の落ち度ではなく、事態が収束しないのは状況側が今までとは違うから。
と聞いても、すぐに「そういうことか!」と切り替えることは難しいですよね。
心のどこかで「それでも自分がもっと強かったら」という言葉を捨てきれないのではないでしょうか。

それはなぜでしょう。
どうして私たちは「私が弱いから」「私側に落ち度があるからだ」という思いを手放すことが出来ないのでしょう。
そんなことはないのかも、と知ってもなお、切り替わらないのはどうしてか。

それは、今の心の状況を説明する言葉が、他に見つからないからです。

人は、感情も思考も問題解決も夢も未来も欲望も、全て「言葉」で表現します。
目に見える者は言葉にしやすいです。
例えば、今あなたが座っている椅子を、言葉を使って表現してみましょう。

「黒くて、ひじ掛けがついていて回転する椅子」みたいにかなり的確な説明が可能かと思います。

では、今この瞬間の心の中を、言葉だけで他人にも手に取るように説明するとしたら?
いくつか表現が浮かんできても「うーん、いまいちしっくりこない、これじゃない」感が残ります。
言葉で表現しきれない感情は、名前を付けることが出来ず、扱い方も分からないから、落ち着かないし説明できないし、正体不明な感覚が消えません。

となると、一番分かりやすくしっくりくる「私が弱いから」という言葉に落ち着いてしまうんですよね。

5.それは「問題」ではなく、「状態」の話かもしれない


これまで上手くいっていた方法が、思っていたように奏功しない。
他にもっといい方法があるのでは、と探すけど、見つからない
自分に何かが足らないのだろう、と思ったが、反面「頑張ってるのに」という葛藤もある

もしかしたら、このような思いがぐるぐるして、出口が分からなくなって苦しいのかもしれません。
早くこの状況から抜け出したい、でも何をどうしたらいいか分からない。
唯一はっきりしているのが「自分が弱いから」という自分を責める言葉だけ。

どんなに藻掻いても浮き上がらない沼の中にいるみたいですよね。

この状況で、一番求めているものは何でしょうか。
もっと頑張れる気力が欲しいのかもしれない、ドンピシャな解決策があれば飛びついて実行するかもしれません。

だけど、本当にあなたの足をとどめているのは、「無いこと」ではないのです。

苦しさを言葉にすることがないまま、一人で抱え込んでいる。
それを「仕方ない」「こういうものだ」と当たり前にしている。

今は、その置かれている状態そのものに目を向けるタイミングが来た、といえるでしょう。

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6.同じやり方では進めない場面に来ていたとしたら


これまではずっと「頑張る」「耐え忍ぶ」ことが土台になっている「取り組み方」だったのかもしれません。
忍耐や頑張りは、これからも必要です。だから基本的なスキルは十分備わっていると言えます。

だけど今は・これからは、それだけでは先へ進めないのかもしれない。
どうすればいいのかも何となく見えているけど、じゃあ今どうしたらいいのかがはっきりしない。
私は正しい方向へ向かって進んでいるのだろうか?

という問いが生まれてきているのではないでしょうか。
これは、あなたが弱いわけでも落ち度があるわけでも、後ろ向きな変化をしたわけでもありません。

「自分一人で何とかしよう」という向き合い方だけでは乗り越えられない状況に身を置いている、と言うことなのです。

ひたすら頑張るのも、耐え忍ぶのも、やろうと思えば一人でできるでしょう。
自分の胸の内を言語化出来なかったとしても、自分だけで抱えている状態なら、それでも大きな問題にはなりません。

しかしこれからは、今感じている
「どうしたらいいのか決められない」
「どうしたいのかも、はっきりしない」
その迷いを、解消してから進むのではなく、迷ったまま誰かと共有しながら進む段階に入った、と言えるでしょう。

7.一人で抱えることをやめたとき、起きる変化


これまでずっと一人で責任を負って踏ん張って来た方にとっては「一人で抱えることをやめる」と言われても抵抗を感じるかもしれません。

しんどかったけど、辛かったけど、逃げたかったこともあるけど、それでもずっと一人で頑張って乗り越えてきた。だからこそ周りも私を評価してくれているのだろう。

という自負があって当然です。
そうした実績のある方にとっては「一人で抱えない」ことは、諦めや放棄に近い感覚がするかもしれません。

ですが、今回お伝えしたい「一人で抱えることを辞める」には、「一人で抱え込む」だけだと得られないメリットがあります。
「自分を責める声が小さくなる」という利点です。

それは、今まであなたが「私が弱いから」「私に落ち度があるから」と自分を責め続けてきた背景に、一人で抱え続けてきた状況があったからなのかもしれません。
それがモチベーションになっている間はいいです。ただ、今のように自分一人ではどうすることも出来なくなった時に、自分の自己評価や自信、過去の実績への自負が土台から崩れる原因になりかねません。

今、あなたがか抱えている迷いは、すぐに明確な答えが出るものではありません。
ただ、共有する相手が出来ることで、圧し掛かる重さが変わります。
今すぐ何かを決断しなくていい、と、自分を引き留めることが出来るようになります。

それは、一緒に抱えてくれる人がいることで生まれる「余白」です。
これから向き合うステージには、この余白が必要です。
その為の「共有」なのです。

8.終章


ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
もし今も「それでもやっぱり私が弱いからでは」と思う部分が残っていたとしても、それは自然なことです。長い間、一人で考え、一人で決め、一人で責任を引き受けてきたのですから。

この記事でお伝えしたかったのは、何かを変えるべきだという話ではありません。
あなたが今、どんな状態に置かれているのか。
そして、その状態を一人で抱え続けていること自体が、どれほど負荷のかかることなのか、という視点です。

すぐに答えを出さなくてもいい。
今はまだ迷っていていい。
そう自分に言えるだけの余白が生まれたなら、それはすでに小さな変化です。

この文章が、あなたが自分を責める声を少しだけ脇に置くための、静かな場所になっていたら嬉しく思います。


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西岡惠美子(カウンセラー)

惠然庵(けいぜんあん)

◆うつ病患者家族支援…うつになった家族を支えるご家族を支えます(家族側のカウンセリング・コーチング)◆自分軸構築コーチング…充実した人生の土台となる「自分軸」の構築をお手伝いします

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