不安になりやすいのはどうして?

「助けてって言えない…」
そんな思いを抱えたことはありませんか?
誰にも言えずにがんばってしまうあなたは、決して弱い人ではありません。
むしろ、一人で抱え込むことに慣れてしまった「強い人」なのかもしれません。
でも、誰かに頼ることは、「弱さ」ではなく「生きる力」です。
自分を大切にする行動であり、あなたの人生を守るスキルでもあります。
1.頼るのはスキル。今から練習すればいい
「誰かに助けを求めるなんて、迷惑じゃないかな」
「どう言えばいいのか分からない」
そんなふうに思ってしまうのは、あなたに頼る経験が少なかったから。
それは、これまで自分の力で何とかしてきた証です。
だからこそ、今ここから“頼る”というスキルを練習していけばいいんです。
こんなふうに、ちょっとずつ言葉にしてみるのはどうでしょう?
- 「ちょっとだけ話を聞いてほしい」
- 「自分だけじゃどうにもできなくて…」
- 「何から始めたらいいか分からない」
大きなSOSじゃなくていいんです。
小さな声でも、伝えることが大事。
そして、それは決して甘えではありません。
自分を大切にする“行動”そのものです。
2.うつ病の家族を支えるあなたへ~6つのやさしいサポート~
もし、身近な人がうつ病になったら──
家族として、どんなふうに関わればいいのでしょうか?
「何をしてあげたらいいか分からない」
「自分が無力に感じる」
そんな思いを抱えている方も多いはずです。
ここでは、無理をせず、でもあたたかく寄り添うための6つのヒントをお伝えします。
①「そばにいるよ」と伝える
うつ病のご家族が、言葉を発さなかったり、何も手につかなくなったりすることがあります。
そんなときこそ、「そばにいるよ」「ここにいるよ」という一言が大きな安心につながります。
無理に励まそうとしなくて大丈夫です。
たとえばこんなふうに──
「何もできないけど、そばにはいるからね」
「一緒にいるだけでいいなら、ここにいるよ」
沈黙の中でも、あなたの存在が力になります。
②感情の波をジャッジしない
うつ病は、良くなったり落ち込んだりを繰り返します。
昨日は笑顔だったのに、今日は涙が止まらない──そんな波に戸惑うこともあるでしょう。
でも、その波を「良い・悪い」ではなく「そういう日もあるね」と受け止めることが大切です。
こんなふうに声をかけてみてください。
「今日はつらい日なんだね。無理しないで」
「どんな気持ちでも大丈夫だよ」
評価ではなく、受容のまなざしが、支えになります。
③日常のリズムを整えるサポートを
規則正しい生活は、心の健康を整える土台になります。
でも、うつの状態では、それすら難しいことも。
そんなときは、「一緒に」やる提案をしてみましょう。
「朝、ちょっとだけ一緒に散歩しない?」
「ごはん、一緒に少しだけでも食べようか」
リズムを「守らせる」より「作っていく」意識で。
できたことに注目して、「よくできたね」と声をかけてください。
④ひとりで抱え込まない
家族を支えるあなた自身も、疲れたり、つらくなったりして当然です。
でも「私がしっかりしなきゃ」と、気持ちを押し込めていませんか?
そんなときこそ、こう言ってみましょう。
「今日は私もしんどくて…話を聞いてもらってもいい?」
「家族のことで相談したいことがあって…」
自分の気持ちを誰かに共有することは、弱さではなく“支える力”を維持するための工夫です。
あなたにも、頼る権利があります。
⑤回復を焦らない
「ちょっと元気そうだから、そろそろ動けるかな」
そんなふうに期待したくなる気持ち、よく分かります。
でも、回復には波があり、思うように進まないのが自然なプロセスです。
そんなときは、期待ではなく「安心」を伝える言葉を。
「ゆっくりでいいよ、あなたのペースで大丈夫」
「またつらくなったら、一緒に乗り越えよう」
焦らず、寄り添う姿勢が、心の安定に大きな影響を与えます。
⑥「○○してくれると助かる」と、具体的にお願いしてみる
「助けて」と言うのが難しいときは、具体的なお願いに言い換えるのも効果的です。
たとえば──
「夕食の片づけ、今日はお願いしてもいい?」
「病院に付き添ってもらえると安心なんだけど…」
「10分だけ、話を聞いてくれるとうれしい」
相手は「何をすればいいのか」が分かると、行動に移しやすくなります。
一方で、受け取る側も「これならできるな」と思えることなら、気負わず手を差し伸べることができます。
これは、支援のハードルを下げるテクニックでもあり、“頼ること”の練習にもつながります。
お願いがうまく伝えられたときは、ぜひ「ありがとう」と伝えてみてください。
感謝のやりとりは、頼り頼られる関係性にあたたかさと信頼を育てます。
3.まとめ:あなたが少しでも、軽くなれますように
「支える人」もがんばりすぎなくていいんです。
あなたの小さなサポートが、確かな力になっています。
そして、あなた自身も、誰かに「助けて」と言っていい。
その一歩が、心を楽にし、未来を明るくするきっかけになるかもしれません。
信頼できる人がそばにいないと感じるときは、専門の相談窓口やカウンセラーなどの第三者を頼るのも選択肢のひとつ。
大丈夫、あなたはひとりじゃありません。
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