自己肯定感は高めようとしなくていい

西岡惠美子

西岡惠美子

テーマ:心の保ち方



「自己肯定感」って、最近のメンタル系の中も結構大きなキーワードですよね。
自己肯定感を高めることで色んな事がうまく行く、ということを説明している記事や書籍がたくさんあります。
自己肯定感の高め方、で検索すると色んな情報がヒットします。

自己肯定感はあるに越したことはないです。
ただ、これを高くすることを目標にする、っていうのは、ちょっとやめといたほうがいいいんじゃないかな、というお話をしたいと思います。

◆自己肯定感とは何か?


そもそも自己肯定感って何でしょうか。
「自己」、つまり自分を「肯定」する、イエスという、否定しないこと、ですよね。

実は自己肯定感という言葉は心理学の専門用語ではありません。
似た概念は他にも色々あります。

  • 自己効力感
  • 自己評価
  • 自尊心
  • 自己受容


これらもすべて、「自分自身に対して前向きに受け容れる」という意味では自己肯定感と同じです。

◆なぜ自己肯定感を高めようとしなくていいのか


自己肯定感、つまり自分で自分に対して肯定的な解釈をする態度は、もっていたほうがいいです。
しかしそれを目指そうとすると、実は色んな所に支障が出る恐れがあります。

1つは「選択肢が限定される」ということです。
人は毎日常に色んな場面で何かを選んで行動しています。その選択の時点で「自己肯定感を高める」ことにプラスに働きそうではないものを、他の状況や必要性を検討するまでもなく除外してしまいかねません。

2つ目は「結果だけを重視しすぎる」点です。
自己肯定感を高めることを目指し過ぎることで、その過程への興味関心が反比例して下がっていきます。何をどんなふうにやっているか、よりも、効果のあるなしばかり考えてしまいます。

3つ目は「徒労が増える」ことです。
2つ目と繋がりますが、やってみた結果自分で自己肯定感が高まったと実感できなければ「やったけど無駄だった」と短絡的に決めつけてしまいます。

つまり、自己肯定感ばかり重視過ぎて、毎日が楽しくなくなってしまうのです。

◆自己肯定感は、結果


そもそも自己肯定感は、高くすることを目的にするものではないです。
色んな経験や、行動を続けた結果として、気づいたら高くなっていた、というのが自己肯定感です。
自己評価とか自信とか自己効力感などもすべてそうです。

自己肯定感を高めよう、と考えると、自己肯定感が高くないと本当に自分がやりたいと思っていることには取り組めない、と考えてしまうようになります。
すると、本来やりたかったことに中々手を付けることが出来ないまま、時間だけがすぎていってしまいます。

先ほど言ったように、それでは毎日が楽しくありません。
毎日が楽しくない、ということは、人生が楽しくないのです。

自己肯定感よりも大事なものは「これがしたい」と望む動機付け、モチベーションです。
やりたいことに取り組み続ければ、気づいたら自己肯定感は勝手に高まっています。
というより、自己肯定感とかどうでも良くなっています。

それが自己肯定感の正体です。

★ポイント


自己肯定感を高めるかどうかは二の次にして、今やっていることを大事にしましょう。
そして良い悪いで判断せず、今やっていることが自分にとってどんな意味があるのか、を考えましょう。
それも別に考えなくてもいいです、本当は。

自分がやりたいと思った、という理由が、一番大事なのです。




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