感情労働の悩みと対策
自信を持つことが出来たらいいな、とは多くの人が感じている悩みです。
しかし実際に自信を持とうと思っても、具体的に何をすればいいのか分からず戸惑ってしまいますよね。
色んな方法がありますが、手がかりの一つが成功体験です。
この記事では、日常生活の中の小さな成功体験を通じて、自信をつける方法について解説します。
1.成功体験を活かして自信をつける仕組み
①自分の強み・長所を活かす場面を作る
まず最初に探すのは「自分の強み・長所」です。
強み=自信ではありません。
例えば「英語が得意」だと思っている人が「英語が話せるなんてすごいですね」と人から言われたとき、「そうですよね」と、心の中だけでも素直に考える人は意外と少ないです。
「そうでもない」
「勉強すれば誰でも話せる」
と、「大したことではない」と捉えてしまいがちです。これは「自分に自信がある」状態とは言えません。
自信とは、自分を信じて何かに挑戦出来たり一歩前に進めるための根源です。
強みは、自信を作るためのタネになります。
②成功を体験することで「出来る!」を思い出す
自分の強み・長所をピックアップし、それを活用出来る場面を意識しましょう。またはそういう場面を作りましょう。
例えば英語が得意だと思っている人なら、街中で困っている外国人観光客に声をかけて何に困っているか聞いてあげる、とかですね。
無事相手の困りごとを解消出来れば、「成功体験」になります。
英語が使えたことではなく、「困っている人を助けてあげることが出来た」体験です。
③「出来ること」を活かす目標を立てて取り組む
自分の強みや長所を実際に活かせる体験を積み重ねた次には、その体験をもっと具体化した目標を立てましょう。
例えば「日本に来た外国人観光客に、もっと日本を好きになってもらいたい」と考えたら、FTM(外国語の話せる添乗員)になる、という方法もあります。仕事にするのも良し、ボランティアや副業にするのもいいですよね。
④目標達成=成功体験、の繰り返しが自信になる
そして目標を叶えたときの達成感は半端ありません。また次の目標を立てたくなるくらいです。次は強みや長所というより「好きなこと」を軸にしてもいいでしょう。あえて「苦手」「未経験」に取り組むという方法もあります。
そうして得た成功体験の積み重ねが自信をつける方法です。
2.成功体験の重要性
①小さな成功も大事
「成功」という言葉には、どこか仰々しさを感じます。
例えばグループで一緒に取り組んで上手くいくものとか、賞状やトロフィーをもらったり、賞金や昇格など目に見える報酬があるようなもの、のようなイメージがあります。
もちろんそうした成功は非常に大事ですが、それらだけを成功と考えていると、人生の中で何度遭遇するか、というレベルになってしまいます。
成功体験は多ければ多いほどいいです。そしてそれは「見方」を変えることで増やすことは可能です。
例えば「朝の電車が立ちっぱなしでの通勤が辛い」としたら、30分早い電車に乗ってみたら最初から座れた、という経験も「成功体験」です。電車に座って通勤したい、という願望が叶ったわけですから。この時自分が行った努力は「30分早い電車に乗る」ための行動全てです。
この時は「電車に座れた」ことに気持ちが集中するかもしれませんが、それによって1日効率よく働けて、気分良く帰宅し、家族と楽しく夕食を食べて満足した1日を終えることが出来た、としたら、この30分の効果は計り知れません。
また、別の理由で普段より早く起きなくてはいけないことがあったとしても、「前から出来ているから大丈夫だ」と自分に自信を持つことが出来ているので、イレギュラーな予定や起床時間を億劫に感じることもありません。
小さな成功体験とは、やったことや直接得た成果は小さくても、その後どんどん育っていってくれるのです。
②成功体験を意図して積み重ねる
日常生活の中で何かを上手く成し遂げること自体は結構出来ているはずです。でも一々覚えていないですよね。それはやる前に意識していないからです。
「〇〇のために▲▲を使って◇◇をやるぞ」
と意図して実行することで、上手くいった結果が「成功体験」になるのです。
▲▲とは上述した「自分の強み・長所」だと尚良しです。
◇◇はもしかしたら未経験や苦手な行動かもしれません。ですが意図して取り組んだことで、成功した結果は「たまたま偶然のラッキー」ではなく「自分の成果」として受け入れることが出来ます。
3.自分の強み・長所を探す方法
①ストレングスモデルとは
強み・長所とは例えば「TOEIC900点」とか「100メートルを12秒で走れる」とかだと思っている方が多いですが、そんな特別なものが必要になるのは履歴書を書くときくらいです。
普段の生活で必要な強み・長所は、「ストレングス」と呼ぶものが相当するでしょう。
ストレングスとは英語で「強さ」という意味ですが、福祉用語で「ストレングス」と呼ぶものはもっと日常的で多岐にわたります。自分の生活を支える要素全てが「ストレングス」です。
特に福祉用語の『ストレングスモデル』とは、生活環境を「資源」と捉えて活用する考え方です。
『「ストレングスモデル」とは、個々の人々やコミュニティの強みや資源に焦点を当てるアプローチです。従来の医学モデルや問題中心のアプローチとは異なり、人々の能力やポテンシャルに注目します。』
例えば『32歳、女性、既婚、都内の企業で正社員として勤務。片道1時間の通勤を要する』場合。
32歳という年齢も、都内企業で働いていることも、正社員であることも、電車通勤も『ストレングス』です。
②ストレングスの探し方
自分自身のプロフィールや生活環境、活動領域などからストレングスを探してみましょう。
まず、インターネットからでもいいので、就職活動をするときの履歴書のフォーマットをダウンロードしましょう。
そして今の自分の情報を書き込みます。
それを一つずつ見ていきましょう。
上述の『32歳、女性、既婚、都内の企業で正社員として勤務。片道1時間の通勤を要する』方を例に見ていきます。
【例】
32歳:若くて体力がある。社会経験も数年ある。
女性:家庭に入るのも、社会で働くのも、それを両立するのでも、選択肢の幅が広い
既婚:人生を共にするパートナーがいる
都内企業勤務:他県より平均給与が高い傾向がある
正社員:雇用が安定しているため、安心してキャリア構築が出来る
電車通勤:車通勤より安全
片道1時間:移動時間を趣味や勉強に使える
と捉えることが出来ます。
他にも、作った履歴書を見返してみると色々思いついたり、思い出すことがあるはずです。
◆高校時代は毎日くたくたになるまで部活頑張ってたな
◆大学受験は本当に辛かった。合格したときはめちゃくちゃ嬉しかった
◆実家で飼っていた犬が死んだときは悲しかった。良く立ち直れたな
◆忘れてたけど、〇〇検定2級だった
◆入社同期で仲が良かった人、去年辞めちゃったけど元気かな
これもまた
◆3年間部活動に熱中出来た
◆辛い受験勉強を乗り越えた
◆死んだペットとの思い出
◆以前勉強したこと(検定)
◆最近連絡を取っていない知人がいる
という「ストレングス」、つまり自分の自信をつけるために活用出来る資源が眠っていることに気づきます。
履歴書だけでなく、日記をつけていたらもっと見つかります。
◆休日の過ごし方
◆悩んでいる時の思考のクセ
◆お正月に立てた目標(でも忘れていた)
◆誰かにしてもらって嬉しかったこと
などがどんどん出てくるでしょう。
これらが全て自分の「ストレングス」なのです。
4.ポジティブな自己評価がやる気を持続させる
①自分で自分を褒めることの大切さ
自分で自分を褒める、って、中々やらないですよね。自分のことはダメ出しの嵐です。
「疲れた」とか「もう無理」という言葉はすぐ出てくるけど「頑張った!」「えらい!」「私すごい!」とは言いません。
しかし自分で自分を褒めて肯定することは、自己評価を上げるためには必須項目です。
自分で自分を褒めるには、いくつか重要なポイントがあります。
一つは「肯定的に評価する」です。自分が達成したことや努力したことをそのまま認め、賞賛し、不足をあげつらったりせず認めることです。
二つ目は自分に対するネガティブなイメージを持つ習慣を減らすことです。
自分を言い表す形容詞を1つ思い浮かべてください。もうすでに自分をけなしたり批判する言葉が出てくるのではないでしょうか。
「怠け者」「要領が悪い」「コミュ障」など。
確かにそれは事実である部分もあるかもしれません。でも自分の全てでありません。
「怠け者」かもしれないけどやるときはやるし、
「要領が悪い」と自覚している分準備には手を抜かないし、
「コミュ障」だけど仲の良い友人は大事にしている
と言った面を忘れないことです。
三つ目は事実を漏れなく平等に評価すること、です。
何か行動した後には自分の中に感想が残ります。
上記の「疲れた」「もう無理」などがそうですね。
「もう無理」という感情だけにフォーカスすると「無理な1日を過ごした」という重苦しさが残ります。
しかし「もう無理、疲れた」とベッドに倒れ込んでも、推しが出演するドラマの放送日なら起き上がってテレビを見ます。「推し」という資源を持っていることで活力を取り戻したのです。
そう考えると「無理な1日」では終わらないですよね。
②他人からの賞賛の受け止め方
他人からの賞賛を受け止めることも、自信をつけるためには非常に重要です。
褒め言葉、素直に受け入れられていますか?
謙遜したり否定したりしていませんか?
褒めてくれた相手との関係性によっては、表面上は「そんなことありません」と言わざるを得ない場面もありますが、心の中では「ありがとう!」と丸ごと100%受け入れることは出来ていますか?
恐らく出来ていない方が多いでしょう。
それでは底の抜けた壺に水を入れ続けているようなものです。どんなに努力しても自信をつけることは出来ません。
他人からの賞賛も「成功体験」の一部です。
他人から賞賛を受けるためのポイントは以下の3つです。
まず、上述もしましたが「素直に受け取る」ことが大切です。
他人があなたの成果や努力を称えるときには、謙遜せずにその言葉を受け入れましょう。自分の価値を認め、それを肯定的に受け止めることで、自己肯定感が高まり、自信をもつことに繋がります。
また、他人から賞賛された時、謙遜するのではなく感謝を伝えましょう。
謙遜や否定ばかり出てくるのは、自分視点でしか考えていないからです。
こちらの良い点や成果を褒めてくれた相手への感謝を忘れていませんか?
感謝を伝えることで、自分は賞賛を受入れて自信をつけることが出来、相手との関係性も強化することが出来ます。
そして賞賛されたら、それをさらに次のステップへつなげる励みにしましょう。
頑張った分認めてくれる人がいる、という事実は大きな後押しになります。
5.目標の設定と達成感
さて、自分の強みを見つけて、毎日の生活の中で活かすことが出来るようになり、それを他人に褒めてもらったときに受け容れる習慣も作ることが出来ました。
次に取り組むのは、この「成功体験」を「自信」に育てるための「目標設定」です。
具体的な目標を設定することは、行動を絞り、選択の軸を作り、毎日の生活に意図的に取り組むことを可能にします。
そして意図的に日々を過ごすことが「自信」を育てるために重要です。
目標にはいくつか特徴があります。
1つは「明確さ」です。
「優秀な社員になろう」だと漠然とし過ぎて行動に移せません。数値化出来る目標がベストです。
2つ目は「実現可能」であることです。
「年収1億円を目指す」のは悪くはないと思いますが、今の年収が300万円だとするとどこから手を付けていいか分からなくなります。
3つ目は「期限」です。
10年後の姿を思い浮かべるのは大事ですし楽しいですが、遠すぎて目指していることを忘れそうです。まずは3ヶ月後、半年後くらいをめどにするといいでしょう。
具体的な目標設定は自信をつけるための重要なステップです。明確性、測定可能性、現実性、タイムリー性という特徴を持つ具体的な目標は、自己成長や達成感を高めるための力強いツールとなります。
6.成功体験を活かして自信をつける方法
①日常生活で成功体験を見つけよう
日常生活での成功体験を見つけるためには、日々の小さな出来事や成果に注意を払うことが重要です。成功体験は、大きな目標を達成したときだけでなく、日常のちょっとしたことにも隠れています。
まず、成功体験を見つけるためには、自分の日常生活を振り返りましょう。例えば、家事や仕事で完了したタスク、困難な問題に対処した経験、他人に助けを提供した行為などが考えられます。これらの小さな成功体験を見つけることで、自分の能力や成果を再確認し、自信をつけることができます。
次に、他人との関わりも成功体験を見つけるための貴重な機会です。他人からの感謝や賞賛、協力した経験などは、自分の貢献や影響力を実感することができる成功体験となります。周囲の人々との良好な関係を築き、相互に支え合うことで、成功体験を増やすことができます。
最後に、成功体験を見つけるためには、日常生活を豊かにする習慣や趣味を育てることも有効です。趣味や興味を持つことで、自分自身を楽しませ、達成感や満足感を得る機会が増えます。自分の興味や関心に対する取り組みや成果は、自信をつける上で大きな役割を果たします。
②自信をつけるために「習慣化」しよう
自信をつけるためには、習慣の力を活用することが重要です。継続的な取り組みが自信につながります。以下に、自信を育てるための習慣を構築する方法を紹介します。
まず第一に、ポジティブな自己対話の習慣をつけることが重要です。自分に対して否定的な言葉を使うのではなく、ポジティブな言葉で自分自身を励ましましょう。自分自身に対して優しく接することで、自信を高めることができます。
そして、健康的なライフスタイルを維持することも自信を育てるための重要な習慣です。適度な運動やバランスの取れた食事、十分な睡眠をとることで、心と体の健康を保ち、自信を高めることができます。
また、ポジティブな環境を作ることも自信を育てるための習慣です。周囲の人々との良好な関係を築き、支え合うことで、自己肯定感を高めることができます。また、ポジティブな影響を与える書籍やコンテンツを取り入れることも有効です。
さらに、自分の得意なことや好きなことに取り組むことで、自己肯定感を高めることができます。成功体験を積み重ねることで、自信をつけることができます。
7.まとめ
◆小さな成功体験が束になって「自信をつけるための行動」への後押しになる
◆小さな成功体験は、日常を意図的に過ごすことで自覚出来る
◆最後の仕上げは「目標立案」と「達成」である
◆努力や行動に対する自己称賛や、他者からの賞賛を素直に受け入れることを忘れない
自信をつけることは、それ自体が目的ではありません。
逆に考えてみましょう。「自信がもてない」ことで何故悩んでいるのでしょうか。
『自分に自信が持てたら~~に挑戦出来るのに』
のように、なりたい自分像があって、そのために自信が必要だ、と考えるからではないでしょうか。
自信は「なりたい自分」を叶えるための要素であり道具です。
しかし非常に力強い道具です。
一度手に入れれば色んなことに挑戦出来ますし、もし想定外の事態に見舞われても落ち着いて行動出来ます。落ち込んでも復活が早いです。
毎日の生活の中で出会う小さな成功体験を積み重ねて、自信をつけて、「なりたい自分」に近づく一歩を踏み出しましょう。
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