ネガティブ感情のトリセツ
誰でも嫌われるのは怖い、いやだ、と思っていますよね。
楽しくない、ムカつく、みたいな軽めの感覚にとどまらず、危機管理や自己評価にも関わってくる問題です。
では対策は「好かれるようになるには」なのでしょうか。
私は違うと考えます。
<「嫌われるのが怖い」の正体>
嫌われたくない、とは、一時的にその場で楽しく過ごしたい、というようなものから、嫌われたことで自分が孤立してしまったら、危機に陥った時誰も助けてくれないのでは、という本能による恐怖が根源になっている場合もあります。
また、「嫌われるのは、自分に悪いところがあるからだ」「好かれるだけの価値がないせいだ」と考えてしまい、強めていくと「生きていても仕方がない」という絶望感に行きついてしまいます。
どんな人からも好かれる、なんていうのは幻想ですし、そんなことは誰も本心から望んでいないと思います。
ただ、身の安全が保障され、自分の価値を少なからず信じられる状態はキープしたい。そのためにも「嫌われるのは怖い」。
このようなときに、どう対処すればいいでしょうか。
<対処法① 孤立への対策を考える>
嫌われるのが怖い理由の一つが「孤立」です。
それなら、孤立状態が起きた時のデメリットをつぶしていく、という方法は如何でしょうか。
例えば仕事場で孤立すると、必要な情報を得られなくなる、という問題が起きるかもしれません。
会社として正式に発表するものは知ることが出来ても、それ以外の「非公式」な情報こそが仕事を円滑に進めるためには必要です。
しかし逆に言うと、そういう意味では「嫌われても困らない」人間関係もあるわけです。
そういう人・集団との縁が切れても、こちらへの影響は大きくありません。
それなら、ひたすら嫌われることを恐れる必要が無いことが分かります。
そうして余計な束縛から解放されることで、行動と心の自由度が上がります。
<対処法② 所属を変える>
嫌われるのが怖い理由の二つ目は「自己評価の低下」です。
周囲の人たちと意見が合わないと、自分が間違っている・おかしいのだ、好かれるだけの価値が無いのだ、と負の連想ゲームが始まってしまいます。
対立理由が明確なら対処のしようもありますが、「何となく」感じる疎外感は正体が分からないだけに、自分の中にばかり理由を探してしまい、自己評価を下げてしまうのです。
しかし、今自分と対立・疎外してくる人だけが全てではありません。
他者は他にいくらでもいるのです。
典型的な例は親子関係です。
親から冷たくされたり理解されなかったり、逆に利用されてきた人は、何か問題がある時には自分側に非があるのだ、という考えを植え付けられています。
相手を疑ったり、他に世界がある、ということに考えが及びづらくなってしまっているのです。
今いる世界(グループ、集団、職場、地域)がこちらを拒絶するなら、新しい世界に居場所を変えましょう。
<対処法③ 「される」ではなく「したい」に気持ちを切り替える>
「嫌われるのが怖い」ことに意識が集中してしまっている時、嫌われることだけでなく色んな面で「~される」ことに重点が置かれている場合があります。
- 避けられる
- ~~してもらえない
- 拒否される
のように、ネガティブな受け身態勢になっています。
それよりも一歩出て、「~したい」ことに目を向けましょう。
「挨拶してもらえない」ことが気になるなら、こちらから先制攻撃(?)しましょう。
「労わってもらえない」のが寂しいなら、こちらが先に辛そうな人を労わりましょう。
「嫌われるのが怖い」のだとしたら、自分が好きな人を大事にしてみましょう。
すると、行動が変化します。
行動が変化すれば、周囲の反応が変化します。
周囲の反応が変化すれば、自分の思考や感情も変化します。
<嫌われるのが一番怖いのは「自分」>
嫌われる、という状況はどうしたってネガティブなものですから、そうならないに越したことはありません。
かといって、嫌われないことだけを最優先に生活していたら、本当にやりたいことが出来なくなって、結果として自己評価も下がるし満足感も充実感も得られません。
孤立すること、嫌われることばかり気にしていると、実はそれが現実になったりします。
他者がこちらを嫌うか好きになるか、は、その人が決めることです。こちらからお願いすることもコントロールすることも出来ません。
本当に怖いのは「自分に嫌われる」事です。
自分が嫌いになると、自分を守ることもケアすることも出来ません。傷ついて疲れて他者に利用されてボロボロになってしまいます。
自分が嫌いにならない自分、でいられることを目指しましょう。
≪オンラインカウンセリング 惠然庵≫
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