仕事とメンタル不調 ②自分の欲求と取り扱い方
大型連休が終わり、またいつもの毎日が再開します。
休むのも仕事するのもいつものことなのに、普段以上に心や体の準備が必要な気がしてしまいますよね。
これからの時期、心配なのは五月病です。頑張った人ほど気を付ける必要があります。
五月病への備えは「自分回帰」です。
1.五月病とは
五月病とは通称で、正式な病名ではありません。
新年度以降の環境変化への適応のために心身が疲弊したりストレスがたまっている場合。
または環境変化への適応がうまくできずに体調やメンタルに不調を抱えてしまった状態を指します。
具体的には、
- 疲れやすい、頭痛が取れない、よく眠れない、作業効率が下がった
- 気分が落ち込む、やる気が出ない、不安や焦りが強い
といった症状や感覚が現れます。
2.なぜこの時期なのか
新しい環境は本人がポジティブにとらえたとしても、心身のどこかに負荷をかけています。
しかし連休の後に不調を訴えれば、「休みに何してたの」「遊び過ぎじゃない」などと言われて、辛さを理解してもらえなかったりします。
そればかりか、そうした周囲の意見を取り込んで、自分を責めて悪化させることもあるでしょう。
連休の有無や直近での環境の変化が無かったとしても、新年度スタートや季節の移り変わり、気候変動は誰にでも起きている「ストレッサー」です。
自分自身に変化がないとしても、家族の進学や就・転職があれば、間接的に影響を受けていてもおかしくありません。
五月病は、気を付けていても、無理をしている自覚が無くても、なってしまう可能性がある、と思っていたほうが良いかもしれません。
では、どうすれば大きなダメージを被らずに回避できるでしょうか。
キーワードは「自分らしさ」です。
3.自分らしさで五月病を回避する方法
①自分が「イイ感じ」でいる時の状態を具体的にイメージする
もし今「辛い」と感じるなら、その反対の状態があるはずです。
心が軽く、体で不調を感じる部分が無く、常に気になってしまうような心配事もなく、「明日は○○をやろう」と活力に満ちている状態。
そういう自分を思い出してみましょう。
②「イイ感じ」に過ごしていた時の生活リズムを再現する
自分が気分よく過ごせていた時、どんな生活をしていたでしょうか。
朝起きる時間、朝食は何を食べて、通勤時間はどんな風に過ごしていて、仕事の量や残業時間、終わった後の過ごし方や寝る前の習慣など。
毎日の生活は変化の連続です。大きなイベントじゃなくても、小さな変化が「塵つも」になっていつの間にか大きく変化していても不思議ではありません。
可能な部分で生活リズムを修正してみましょう。
③「頑張ればできるかも」なことは「出来ない」に分類
仕事でも家事でも、友人や恋人とのやり取りでも、どれをとっても全部をこなすことなどできません。
作業量だけ見れば本来の自分ならこなせて当然、という量でも、心身が不調をきたしている・そうなる可能性がある状態では、「当然な量」ではなくなります。過重です。
「厳しいけど少し無理すれば出来るかな」というタスクは、「出来ない」に分類しましょう。
仕事や家事なら、今の状況を相談して一時的にでも免除してもらったり肩代わりしてもらったり、無理じゃなくて出来る内容へ変更してもらいましょう。
④1日のスケジュールは「60~70%」以上埋めない
1日24時間あっても、心身の疲労がたまっている場合はフルに活用しないほうが無難です。
いつもなら手帳やスケジュールアプリが予定やタスクでびっちり、という方も、意識して「余白」を作りましょう。
普段の6~7割くらいにしておいて、あえて暇を作りましょう。
実際には4~3割も暇にはなれないと思います。疲れた心身で作業をこなすのですから、ペースが落ちます。暇を作っておくくらいで、丁度いいかもしれません。
⑤上記を試して、状態が良化したかモニターする
「モニターする」とは、監視、観察、観測することです。
自分が「イイ感じ」で過ごす姿をイメージし、それに合わせた生活リズムを再現しながら、普段より活動量をセーブしてみて、気分の落ち込み、疲労感、やる気、不安感などは軽減出来たでしょうか。
これは完全に自己判定なので、自分が「出来た」と思えていればOKです。
もし「そうでもない」と思ったら、もう少し期間を伸ばすか、またはやり方を変えてみましょう。
そしてしばらくしたらまた状態をチェックしてみましょう。
4.ポイント3点
一つ目は「心身の状態には上下の波があって当然」ということを知っておいていただきたいです。
いつでもどこでも常に同じ状態をキープし続けることは出来ません。たまに一流のスポーツ選手などで常に高いパフォーマンスを発揮し続ける人がいますが、きっとその裏では大変な工夫や努力があるはずです。それは「波がある」ことを知っているからです。
二つ目は「急に戻ろうとしない」ことです。
分かりやすいのはダイエットです。3日で5kg減らそう、なんて無理に決まっています。でもやろうとすると、絶食したり正体不明の薬を飲んだりして体に負担をかけます。
幸運にも短期間でダイエットできても、その後必ずリバウンドや二次被害が訪れます。
メンタルも同様です。時間をかけてゆっくり変化するよう心がけましょう。
三つ目は「休息、リフレッシュはどんどん取り入れよう」です。
五月病になるような人は生真面目で自分を律することにたけている人が多いです。
その分、自分を休ませたり楽しませることが苦手です。やらなきゃいけないことを減らしてまでやることへ抵抗を感じます。
しかし心身が不調な時は、優先順位が入れ替わります。
休息やリフレッシュ、好きなことのほうが「やるべきこと」なのだ、ということを覚えておいてください。
5.まとめ
人間は、本来の「自分らしさ」「自分のペース」から外れることで、疲れたりストレスを増したりします。
自分らしさとは、その名の通り自分だけのルールです。他人の言い分やルールは自分には当てはまりません。
サイズが違う服を無理やり着るようなもので、体にも心にも負担でしかありません。
「何かがおかしい」と感じたら、「いつもの自分」に戻りましょう。
≪オンラインカウンセリング 惠然庵≫
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