自分で全部やろうとする人へ

西岡惠美子

西岡惠美子

テーマ:ケアする人のメンタルケア

全部自分でやろうとする人

仕事でも家事でも、自分で全部やろうとする人がいますね。
悪いことではないと思います。
全部自分でやろうとする人の心理、環境、メリットとデメリット、心構えを考えてみました。

1.心理状態

万能感

自分なら全部出来る!と思っているからこそ、やろうとします。実際に「全部一人で出来た」経験があるから自信もあります。

高いモチベーション

前向きか後ろ向きかは人によって違うと思いますが、非常に意欲が高い状態にあります。

高い責任感

何かのリーダー的立場にいたり、親だったり、世帯主だったりすると、それに見合う責任や行動を取ろうと考えます。

2.状況・環境

自分自身が充実している

気力も体力も充実して余裕があると、もっと何かしたいと、自ら進んで負荷をかけようとします。

他に出来る人がいない

周囲に自分以外にやる人がいない時は、「やらざるを得ない」ことがあります。
小さい会社や事務所、部署、または夫婦二人の家庭などです。

周囲に押し付けられた

かなりネガティブな理由ですが、「〇〇もやったんだから△△もやって」のように、不本意ながら引き受けて「やるしかない」状況になってしまっている場合です。

3.全部自分でやろうとするときのメリット

進捗をコントロールしやすい

自分が全部やるのですから、管理する必要はありません。管理するとしたら自分のスケジュールくらいです。

他者の責任を取らなくていい

成果は全部自分のもの

4.全部自分でやることのデメリット

休めない

自分しかやる人がいないのですから、辛い時の交代要員はいません

自分が潰れた時にカバーしてくれる人がいない

大変さを理解してもらえない

無理するしかない毎日の果てに、自分で自分の限界に気づかず(または限界を感じても無視して)突然倒れるような事態に陥ります。

5.全部自分でやろうとする前に確認することは?

デメリットが大きいとはいえ、実際にやってみなければ分からないし、納得しない場合もあります。
やらざるを得ない、という状況もあるでしょう。
なので、せめて以下の点は確認しましょう。

≪以下の項目は問題ないですか?≫

◆本当に全部出来ることなのか?
 体力、時間、資金、スキルなどのリソース面を再確認しましょう
◆出来なかった時どうするか、の対応策を考える
 もしもの場合を想定することで、心の余裕を確保することが出来ます。
◆「周囲に協力者がいない」と思っている場合
 それは本当にその通りなのでしょうか?自分の思い込みや諦めではなく?「本当にいないのか」を、3回繰り返して確認してみましょう。
◆お試し期間を設ける
 1週間~1か月ほど、全部自分だけでやった状態を想定して生活してみましょう。
 お試し期間終了後に、どこかに無理やしわ寄せは生じていませんか?
◆撤退ラインを決めておく
 新規事業を始める時など、利益が〇〇円、または負債が〇〇円になったらやめる、などの基準を設けておきます。
 それと同じで、一人で頑張った時に背負う負担はどこまでなら可能なのか、を事前に想定しておきましょう。


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「全部一人でやろう」とすること自体は、私は悪いことではないと思っています。
「自己肯定感」や「承認欲求」を満たすためには、ある程度は無理をして自分に負荷をかけてその時に出来る100%以上の努力をする必要があります。
成果が出るかどうかは別として、努力を続けている中で確実に自分を肯定し承認してくれる他者が現れるからです。

ただし、やろうとしていることが現実離れしていたり、「出来る」と考えた目標値に根拠がない場合は徒労に終わってしまいます。

「全部一人でやろうとする」のではなく、「自分が出来ることを現実的に見積もって実行する」ことが重要です。

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