英検1級道場-合格後も自己研鑽と英語指導で活躍し続ける元受講生から体験記が届きました

山中昇

山中昇

テーマ:体験記

おみごと
英検1級合格後も自己研鑽と英語指導で活躍し続ける元受講生から体験記が届きました
60歳になったとは思えないくらい、現役でバリバリの活躍をしておられます


遅咲如来


記録を見ると、2020年9月から2021年12月まで、16カ月にわたって、熱心に受講されました
システマティックに、丁寧に、事を突き詰めていく勉強ぶりにはいつも感心していました

英検1級1次、2次試験共に驚異的な高得点で3回目の合格を果たしたと聞き、多くの学習者の励みになればという思いから体験記をお願いしたというわけです


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合格体験記

1 覚悟を決めよう

 ・2023-2の試験において、3回目の英検1級に合格をすることができた。今回は還暦記念受験でもあり、この歳での合格も良い気分である。
現在は、元受講生という立場であるが、山中先生から「以前(受講中)はかなり苦戦しておられたのですが、まるで別人のようです」というコメントをいただいた。
 英検1級への学習に取り組み、そして、道場での受講を始めてから英語学習に関しての考え方に変化が起きたことは間違いない。

・覚悟が必要
 「英検1級合格を目指すには覚悟が必要」、ということを受講中に言われたことがある。
1級を目指しても途中で挫折する人も少なくないと聞く。また、酷いスコアや格好悪い自分と向き合うことが大切だと教えていただいた。つまり、見たくない、格好悪い自分から逃げず、それが自分として自分を見ていくことが覚悟の1つと考えている。そこで、私の格好悪い自分との向き合い方を紹介したい。

2 1次対策のカギは準1級にあり

・準1級でさえ、ギリギリ合格では、1級には全く届かない。準1級で85%以上が取れるまで練習する。1級挑戦者が、すでに合格している準1級の問題集(時に2級)に取り組むのは何か格好が悪い感じもする。それでも向き合い、取り組むことは結局は近道だと考える。本当にそれで合格するのかと疑問も生じるかもしれない。しかし、山中先生は受講中、準1級の教材をたくさん送ってくださった。

 1級とはレベルは少し違うが、基本的な学習方法や問題への対応方法は同じである。長文読解において、準1級がスラスラ読めるまでやれば、読み方が上手になり、十分1級でも役立つ。特に長文の文構造の捉え方、選択肢の読み方と選び方、パラフレーズの見抜き方といった解法のコツは共通している。

当然準1級でも読めない、という文に出会う。それを自分の力と認識し、解答を使ってでも理解する。時に2級の問題集もやった。さすがにこれはできるが、「できる自分」を時々見ることも挫折を防ぐために必要である。

リスニングでは一文ずつ音声を止めてそれを日本語にして言ってみる。通訳するようにである。受講中「日本語にできないものは、英語を理解していない」と何度も言われた。こうして日本語にできるようになった英文を、後にディクテーションし、シャドーイングしていく。

 有名な「過去6回全問題集」で、毎回正答率を出してみる方法もとってみた。RとLそれぞれ、そして両方合わせて、85%以上を常に取れれば、1級にギリギリ受かるレベルに到達するものと感じる。その後に1級の過去問をやって正解率をみてみるのもいい。

準1級に合格する人のほとんどの人は、75%程度の正答率であり、そのまま1級を受けても到底届かない。だから1級を目指すには、常に85%の正解率が出せるまで、準1級に取り組むことである。85%とはRでは、41問中35問正解、Lでは、29問中25問正解である。結構厳しい数字である。最初はなかなかこの数値に届かない。これも少々格好悪いと感じても、それを自分と理解し、根気よくやってみることである。

 長文でも1文ずつ確実に日本語にできるまで、文法や長い文の構造を確かめながら何度も読む。返り読みをせず、文頭からどんどん訳していくスラッシュリーディングを、スラッシュを入れなくても、読めるようになるまで練習する。準1級レベルだとこうした学習も比較的やりやすく継続できる。このよう
な練習を積んでいくうちに準1級85%に近づく。それが何回か続けば、1級合格にだいぶ近づいているはずである。(ただ、単語は別途、1級対応が必要)

6回分の問題集で、初見1回目で85%に達しなくても、復習して3周目位で85%に達するというのでいい。これも力になっている。こうした頃に1級挑戦権を得ているはずである。

good


3 2次対策

・過去問を使ってスピーチをする
・スクリプト作り→録音→修正→録音の連続による練習

私の場合は、自動英作文サイトDeepl(AIのような英文作成アプリ)の力も借りながら、スピーチのスクリプトを作った。ある程度暗記できたところで、自分のスピーチを録音する。録音するだけで真剣味は増す。録音したものを聞くと、下手な、酷いスピーチ、これって英語?と感じるものを聞くことになる。ここでもその自分を正面から見つめるしかない。

 文法的ミス、表現できなかったところだけ再度練習し、さらに録音をする。少しずつスピーチの精度が上がっていく。完全暗記でなくてスピーチ録音中に違う表現や単語が思いついたらそれもどんどん使う。2分間の感覚も自然に体に染み込んでいく。2分の増減は気にしない。

そして、少しずつ、文法のミスも減ってくる。それを完全にゼロにはできないが、have, has, are, were などの基本的なミスは確実に減る。これだけでも本番での減点材料が減る。試験官になったつもりで聞いてみる。自分で合否判定をしてみる。自分で自分に合格を出せない悔しさが続く。この悔しさこそ、自分と向き合っている時である。

スクリプト作り(英作文)ー8割暗記ー録音ー修正ー録音 を繰り返すことで、確実に話せることは増えて、ミスも徐々に減ることがわかってくる。200本ぐらいやると少し格好悪さが薄らいでいく。たまにカッコいい、という自分に出会えることがある。

こうしてある程度話せる内容を、オンライン英会話で、講師に聞いてもらう。そして質問をしてもらう。インタラクションの練習をするのである。しっかり模擬面接を積む。オンライン英会話の講師は英検面接を知らない方も多いので、最初によく説明し、理解してもらうことである。そうした講師をなるべく多く見つけるのも大切である。

私もまとまった時間、定期的な練習時間はなかなか取れないが、細切れであっても上記の方法を2年以上続けている。

今回の2次試験では、スピーチ9、インタラクション10、文法語彙9、発音7の合計35点、87.5%を取ることができた。(少しカッコいいと思えた瞬間である)過去の合格では66−67%程度であったことを考えると、この録音方式の成果が出てきたものと信じている。

4 練習して「自分のモノ」になっているものしか本番で使えない

 昨日覚えたもの、なんとなくテキストで知った程度では、この試験の中で使えない。
「自分のモノ」になるとは、無意識のうちに口をついて、タイミングよく出てくる表現である。また、意味をいちいち考えずに自然にRでもLでも理解できる単語や表現である。

普通、数回練習してわかったつもりになると、そこで自分はできたと思って練習をやめてしまう。そしていざ、実践場面や試験本番でその表現が出てこない。これはまだモノになっていない状態である。

「できた」と思った状態から、さらに練習を積むことにより「モノ」にした状態となる。「モノ」にしたものが、自然と面接スピーチで言えると気持ちがいいし、試験官にもすんなりと伝わる。試験官のうなずく様子が見られる。

「練習した」「わかった」だけの状態と「モノにした」状態との違いを意識して学習することを心がけている。「モノにした」ものを少しでも増やせるように、さらに学習を継続するつもりである。
あっぱれ
私の場合、仕事で英語を使う時も多く、時に海外でギリギリの交渉をする修羅場とも言える会議に出席することもある。上司の通訳をすることもある。だからモノにした表現はたくさん持っていたい。そのために英検1級学習を活用、継続をしている。

 ここで紹介した方法は、特別難しい技術を駆使するような練習ではない。ちょっとした工夫の連続で、誰でも実践可能と考える。参考になれば幸いです。そして、多くの方が合格しますように。
あなたはすばらしい


60歳元受講生

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山中昇
専門家

山中昇(英語講師)

英検一級道場

英検1級1次・2次試験合わせて通算87回合格という実績と経験を生かし、朝7時から夜10時までオンライン(zoom)マンツーマンでの英語レッスン。年齢・場所不問、世界中に受講生あり。オフ通いも可能。

山中昇プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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