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英検1級道場-ジャパンタイムズ記事への意見 その⑦

2016年7月25日 公開 / 2021年3月3日更新

テーマ:その他、番外

コラムカテゴリ:スクール・習い事

コラムキーワード: 英検 対策



受講者ではないのですが、以前問い合わせがあり、ジャパンタイムズの記事を紹介くださった方から投稿があったので、紹介します。読みやすいように、2-3行で改行するようにしました

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私は英検の5級から1級まですべてに合格したことがあり、1級は、40回以上の山中さんと比べると微々たるものですが、複数回合格している。

幸い、不合格になったことはないしマニアックな賞も頂いたことがあるので、英検を称賛する内容はいくらでも書けるが、客観的に英検のいいところ・悪いところを書かせていただきたい。

山中さんが「この記事は、正しいことも間違ったこともあります。」という内容をメールで返信してくださった。
私も山中さんに賛成である。私は1級以外の級にはあまり詳しくないので、ここでは1級を中心にこの記事について少し述べさせていただきたい。

1.「英検1級は合格点が低い」というブロガーのコメントについて

これには賛成である。
確かに、ぎりぎり合格した人なら、「実用」英語を身につけている人は少ないとも言えないではない。

1級に合格しても、「洋書は難しくて手も足も出ません。」とか「スピーキングは勘弁してください。」と本心では思っている人が多いかもしれないし、英語の達人的な人の著書にも、「昔はそうでした。」のようなことを書いてあるのをよく見るので、合格点は、「実用」という観点からは低いと思う。
もし、問題対策に走ってギリギリ合格なら、実用レベルではないと一番気付いているのは本人だろう。

2.英検1級の語彙問題の単語はマニアックか?

個人的には、英検1級の語彙問題の単語は必須と思っている。
ただし、これは小説をより深く楽しみたいとか、世界のニュースをしっかりと内容を把握したいなどと、英語の深い理解を求めているからだ。

そもそも、私は1級とか関係なくても英語の辞書を読むのが趣味なので、あの程度の単語が不要と言われると心苦しい。
だが、ここでは勇気を振り絞って客観的にこの問題を考えてみる。

記事で述べられているのは、1級単語は、あまり出会わない単語だということだ。
データが示されていて、これに対して反論は難しい。

しかし、英検1級単語不要論者の意見もわからないわけではない。例えば、私は小説を読むのが好きで、1級合格前も、特に問題なく内容を楽しめていた。

確かに、1級の語彙問題でほぼ満点が取れる今は、かつてよりクリアに情景をイメージできる。しかし、英語を楽しむというよりも、内容を楽しめればいいと思っている人なら、1級単語なんか無視して、どんどん好きな本を読めばいいということだ。

気になる単語があれば、辞書で調べたらいいし、その方が、この記事が批判している単語帳での丸暗記よりも、本来あるべき単語習得方法だろう。

また、単語問題のための単語学習になってしまったら、英検合格のための英語になってしまい、英検合格は紙切れになってしまう危険があるから、合格のためだけの単語は意味がないことに警鐘を鳴らしているととらえれば、私はこの部分に賛成だ。

3.「リスニングパートの音声が、不自然なほどクリアで生の英語とは程遠い」か?

これは賛成である。
最近の1級リスニングの最後のインタビューは本物の英語っぽいが、そのほかは偽物だと思っている。
あれが聞き取れても、ニュースや洋画は程遠い可能性がある。

確かに、この記事が書いているようにリーディングの問題っぽい側面もあると思う。
山中さんが書かれた記事で知ったが、会話問題などは過去問を使いまわしているという。

また、リアルライフはバーチャルライフだと思う。あれは、宝探しゲームみたいなものだろう。
日本語でやっても、結果はそう変わらんと突っ込みたくなる時が多い。

実用を目指すなら、もう少しナチュラルな英語を問題に取り入れたら、受ける側に対して刺激になって、対策に走らずに生の英語の聞きとりを重視する人が増えると思う。

まあ、本当か自分の目で確かめたことはないが、数十年前の1級リスニングは今よりずっと簡単だったらしい(このあたりは、山中さんが詳しいかと思いますので、よろしければ、コラムで取り上げていただいたらうれしいです。)ので、よくはなっているだろう。また、他のテストも似たようなものなので、英検は最後のインタビューとかで頑張っているほうだとは思う。

4.英検などの資格試験以外の方法(スマホ・スカイプ・映画・会話など)のほうがいいんじゃないか?

こういう主張が記事にあったが、確かにそう思うことがある。
確かに、過去問と単語帳ばっかりやっていたら合格はするだろう。

でも、英検は受けたことはないがスマホ・スカイプ・映画・会話などで手段として楽しんで英語と接している人のほうが、英語力が受信力も発信力も高いことだってあると思う。

英検のための英語ではなく、英語のための英検として、英検を活用したい人は活用したらいいと思う。
ただし、企業や学校や一般の人も、資格を過大評価しないことが必要だろう。(まあ、無理だろうが。)

5.2次試験は、ドアをノックして、挨拶して、カードを受け取って…

これは、要は面接の内容は実生活では役に立たないという主張だ。
記事では、1級の内容には直接は触れていないと思われるが、1級の面接について、私はこの主張に半分賛成、半分反対だ。

1級の面接の内容は非常に実践的だと思う。即興でスピーチをして議論する。素晴らしいではないか。
過去問があるので、それについて記事を読んだり動画を見たり誰かと議論をしたり、時には意見を書いてネイティブにチェックしてもらったりして、実践的な英語力がつくと思う。
これが賛成の理由だ。おそらくこの考えに否定的な人はあまりいないだろう。

問題なのは、一部の英検受験者の姿勢だろう。模範解答を丸暗記し、さも自分が思っているかのように話すのは、そうしている本人が一番情けないと思っているかもしれない。
もちろん、英語を暗唱すれば力はつくかもしれないが、自分の意見はしっかり持ってほしいというわけだ。

ここでも私が思うのは、目の前の合格にとらわれてしまったら、楽な対策に走ってしまう人が少なからずいるということだ。
じっくりとでも、しっかり力がつく方法は、このレベルの学習者だと本人がある程度分かっているだろう。

英検1級の2次試験の問題や方式が悪いことはない。
覚悟を持って真の対策をすればいいのだ。

以上、まとめは省略させていただきますが、よろしければ私の意見もここに加えさせてください。また、私の意見に対してもみなさまからご批判いただけたらと思います。

この記事を書いたプロ

山中昇

自ら英検1級合格を続ける英語指導者

山中昇(英検一級道場)

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