働き方:コロナ禍の今、コロナ後に備える:求められる人材になるために

小川芳夫

小川芳夫

テーマ:働き方

このコラムは、基本ビジネスパーソンの方々を対象に書いています。
また、ビジネスパーソン以外の方にも参考になる内容だ、と私は思っています。


コロナ禍になり、新しい生活様式が求められるようになりました。いきなり急に生活様式を変えてくれと言われて、当初はカオス状態だったかもしれません。例えばテレワーク。いきなり初めてのテレワークで当惑した方は多かったのではないでしょうか。緊急事態が解除されて出社状態に戻っている会社も多いと聞きます。一方、市中にウイルスは存在していて、鎖国のような状態を続けるわけにもいきませんから、世界的に新型コロナウイルス感染症が収束するまでには数年間必要かもしれないと言う人もいます。コロナと共生するwithコロナの生活が求められるのかもしれません。

私は新しい生活様式が数年間の中で定着する、と思っています。数年間コロナ禍の下での生活を続けていると、それなりに新しい生活様式が定着すると思うのです。コロナ前の生活に戻ることはないと思っています。

このコラムで書くコロナ後に求められる人材になるためには、ある程度の時間が必要です。コロナ禍の今こそ、コロナ後に求められる人材になるための準備期間とすべきである、と私は考えます。

このコラムは次の3つの章で構成します。10分程度で読める内容です。


私は、ファシリテーションを核としたコンサルティング・サービスを営んでいる個人事業主です。屋号を BTFコンサルティングといいます。BTF は Business Transformation with Facilitation の頭文字をとりました。トランスフォーマーという映画をご存知の方がいらっしゃると思います。クルマがロボットに変身したり、ロボットがクルマに変身したりする映画です。トランスフォーメーション(transformation)とは変身させることです。ビジネス・トランスフォーメーションとはビジネスを変身させてしまうことです。ビジネス変革とも言われています。「ファシリテーションを活用してビジネス変革を実現して欲しい、そのために貢献したい」と考え、この屋号にしました。

ファシリテーション。Facilitationという名詞です。「人と人が議論し合意形成をする。この活動が容易にできるように支援し、うまく合意形成できるようにする。」これを実現するためにはどうしたら良いのかという課題を科学的に考え、試行錯誤を繰り返しながら作りあげられた手法、これがファシリテーションです。

ファシリテーションをする人をファシリテーター (facilitator) と言います。


1. 新学習指導要領〜アクティブ・ラーニング〜

この章では、新学習指導要領について書きます。理由は、コロナ後を考える上で参考になる点が多い、と私は思うからです。

小中高のお子さんがいる方は、2020年から新学習指導要領になったことをご存知かもしれませんね。

『2020年度、子供の学びが進化します!新しい学習指導要領、スタート!』 という2019年3月13日に出された政府広報があります。

『予測困難なこれからの時代。子供たちには自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、自ら判断して行動し、よりよい社会や人生を切り拓いていく力が求められます。学校での学びを通じ、子供たちがそのような「生きる力」を育むために、学習指導要領が約10年ぶりに改訂され、2020年度より小学校から順に実施されます。』とあります。

コロナ禍の今も予測困難ですよね。
変化の激しい社会に必要な生きる力、人生を自ら切り拓いていく力、そして何ができるようになるのかが大切だといっています。


この新学習指導要領、小学校から英語が始まる、プログラミングが始まるというところがクローズアップされがちですが、大きな目玉はアクティブ・ラーニングです。
新学習指導要領で、主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)が重視され、児童生徒同士の対話型の活動を増やし、学ぶ過程を丁寧に解説する傾向が強まったそうです。


教師が一方的に授業をし、生徒は受け身で聞くだけ・・・というパッシブ(受動的)な学びではなく、生徒が自ら学ぼうとするアクティブ(能動的)な学び方に変わっていこうとしているのです。
私は昭和中期の生まれです。「受け身で、知識を記憶する。そして、みんなを同じ枠にはめて同じような品質の人を大量生産する。」という教育を受けてきました。この昭和から続いてきた教育が変わるのです。

具体例が朝日新聞の記事 『学びの過程、丁寧に解説 中学校教科書、検定結果公表』(2020年3月25日)に載っていましたので、抜粋します。
中学の公民、帝国書院の教科書です。

【議題】 赤字バス路線に税金を使うべきか?

【背景】
人口約10万人の◯◯市。山間部のC地区は過疎化が進み、バス会社は赤字路線の廃止を提案した。C地区の住民は市の税金を使ってでも路線を維持してほしいと望んでいる。

【課題】
赤字バス路線に税金を使うべきか、市長の立場にたって生徒同士でディスカッションをする。

【活動の狙い】
「効率」「公正」「対立」「合意」などを理解しながら、社会課題の解決策を考える。

【関連する資料】
・市の人口推移のグラフ
・市の歳出状況のグラフ
・C地区のバス利用者数、売り上げや運行費用の表
・意見が対立する各地区の住民の声

【ディスカッションの注意点】
・根拠に基づいた主張をする
・相手の主張をむやみに否定しない

なんだか会社の会議にも出てきそうな内容ですよね。

児童生徒の学びが変わるということは、教師の役割も変わります。
児童生徒がアクティブ・ラーニングするためには、教師がファシリテーターになります。
どのようにアクティブ・ラーニングの場を設計し、アクティブ・ラーニングのプロセスを設計し、等々どう教師が生徒たちの「主体的・対話的な学び」を支援するのか、教師のスキルが問われることになると思います。


ファシリテーター。カタカナ言葉だから外来語なの?と思う方がいいらっしゃると思います。その通りです。ファシリテーション(facilitation)という名詞があります。「人と人が議論し合意形成をする、この活動が容易にできるように支援し、うまく合意形成できるようにすること」がファシリテーションです。適当な日本語がないので、ファシリテーションというカタカナが使われているのだと私は思っています。ファシリテーションをする人をファシリテーター (facilitator) と言います。
「人と人が議論し合意形成をする、この活動が容易にできるように支援し、うまく合意形成できるようにする」ためにはどうしたら良いのかという課題を科学的に考え、試行錯誤を繰り返しながら作りあげられた手法、これがファシリテーションです。


2. コロナが炙り出した「必要な人財」と「不要な人罪」

コロナ禍の中テレワークをした方もいらっしゃると思います。

仕事。
必須な仕事まあまあ必要な仕事ほとんど必要のない仕事、等々、必要性が炙り出されたのではないでしょうか。優先順位が明確になったとも言えます。

人材。
必要な人財まあまあ必要な人材不要な人罪。これも炙り出されたのではないかと思います。
テレワークになりほとんど仕事をしていない人、等々、役職に関係なく炙り出されたのではないかと思っています。


そして、自分がいなくても会社は回ることがわかってしまい、不安を感じている方もいらっしゃるようです。
また、マネージャーがマネージャーとして何をどうすれば良いのか分からず、リモートハラスメント(リモハラ)やテレワークハラスメント(テレハラ)を受けたと部下が思ってしまうようなことも出てきているようです。(リモハラやテレハラは新語ですね)

※参照情報


労働時間での管理。上の人から指示されるまで待つ指示待ち人。受け身で知識を記憶する教育を何年も受けてきた人にとっては自然なのかもしれません。

小中高は、新しい学習指導要領(海外では既に教えられているアクティブ・ラーニング)に舵をきりました。

さて、私たちの働き方はどうでしょう?
今は令和の時代です。昭和のやり方を変える時がとうとう来てしまった、と私は思います。
昭和生まれの私からすると、2時代前の明治時代はかなり前の「昔の時代」というイメージです。同じように、令和時代に2時代前の昭和の働き方を続けるというのはどうなのでしょう?テクノロジーも人々の考え方も大きく変わったのに。


端的に申し上げますと、成果主義的な方向に舵がきられつつある、と私は思います。下記の記事は事例です。


優秀な若手をつなぎ留めるため、獲得するため、年功序列や終身雇用から成果ベースに変えるという動きが一気に出てきた感じがします。マネジャーも従業員も慣れていないので、混乱するかもしれません。

個人個人としては、「◯◯できる能力」を磨くことが喫緊の課題になった、と私は考えます。備えを始めるのは今です。

会社の売り上げに貢献する仕事をすること。会社は社会に対して価値を届け、その対価として報酬を得ます。それが原資となって、あなたの給料が支払われます。
たとえ裏方の部門であっても(営業部門ではなくても業務部門であっても)、お客様体験の向上に寄与する、つまりお客様に価値を届けることはできます。例えばお客様への請求、商品やサービスをお届けする部門。コロナ禍の今、自分の仕事をお客様志向で見つめ直し、改善・変革することはできるのではないでしょうか?

お客様体験と従業員体験。
私のコラム 『会社の会議:従業員体験を向上させるファシリテーション:会議に活かす性格分類』 で説明しています。ご関心をお持ちの方は、是非お読みください。

子供たちの学びは、『予測困難なこれからの時代。子供たちには自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、自ら判断して行動し、よりよい社会や人生を切り拓いていく力が求められます。学校での学びを通じ、子供たちがそのような「生きる力」を育むために、学習指導要領が約10年ぶりに改訂され、2020年度より小学校から順に実施されます。』という方向に舵が切られました。

コロナ禍の今も予測困難なときです。
変化の激しい社会であっても、会社が存続するために、伸長するために、そのために必要な能力のある人が求められているのだと思います。受け身で待つ指示待ち人ではなく、自律して働ける人所属するチームの成果に貢献できる人その貢献がチームのみんなから称賛される人そういう能力を自ら獲得していく力が求められる、と私は考えます。


なぜ指示待ち人ではいけないのか。
予測困難な環境では、過去の経験が無価値化することもあり得ます。お客様にいちばん近い現場にいる従業員こそが、変化の兆しを察知して自ら考え、課題設定を行い、課題を解決する。このことが必要になる、と私は考えます。

踊る大捜査線という映画で、「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!!」という名言がありました。課題は現場で発生するものです。課題が主任や課長や部長等々に上がるには、時間がかかります。予測困難な時には、そのちょっとした時間が命取りになってしまうかもしれません。問題が大きくなってしまって対応が困難になってしまうかもしれません。他社に先を越されて、大きな機会損失を被るかもしれません。課題がまだボヤのうちに察知し、チームで迅速に対応策を検討し、迅速に上に提案する、こんな人が今こそ求められているのではないでしょうか。

ここまで読んでくださった方の中には、「ちょっと待ってよ。それ私たちがコロナ前に働いてきたやり方じゃないよ。」と強い違和感をお持ちの方もいらっしゃると思います。
何年も何十年も、上から言われたことを実直に高い品質でこなしてきた方にとっては、当然のお気持ちだろうと思います。
コロナはこれを変えてしまった可能性が非常に高い。抗えない力のようなものだと私は思うのです。

景気も雇用もどうなるかわかりません。
予測困難な時代なのです。

ちょっと考えてみてください。20数年後の2040年代、再び新しい感染症が流行してしまった。アクティブ・ラーニングで、主体的・対話的に課題をチームで解決する方法に慣れた人たちが、ちょうど20代30代。

予測困難な環境の中で、職場のチームで、組織が会社が存続するために、いや、何か新しい機会を獲得しお客様に新しい価値を提供し発展するためにはどうしたら良いのか、チームとしていくつかの打ち手を考え出すことができる。そんなに無理なく。そして、その打ち手に優先順位をつけて実施し、振り返り、さらに対策を練り、再びトライする。こんなことが自然にできる。そんな人たちが社会に出てきます。

こういう人たちが職場の同僚になる5年〜20年後、あなたは何歳ですか?
今の高校2年生が学卒で入社するとしたら約5年後、今小学1年だったら約15年後。
「ぶっちゃけ言うと、あの先輩たち全然使えないね。何でもっとうまくできないんだろう。ざんねんな人たちだよね。」などと彼ら彼女らの間で言われないように、備える・変わる、そんなことが必要なのではないかと思うのです。
ところで、これって、コロナ禍でいきなりテレワークになって、デジタル・デバイドのITツールがうまく使えない人たちが言われていたことと、ちょっと似ていませんか?

前の段落で、いくつかの打ち手を考え出し、優先順位をつけて実施し、振り返り、対策を練り、再びトライする、と書きました。私のコラム『働き方:アジャイルな働き方とは:アジャイルな働き方を導入するには』で、チームとして機敏に立ち回れることが大切であると書きました。
ダーウィンが言ったとされている「この世に生き残る生物は、激しい変化にいち早く対応できたもの」という言葉。これは予測困難な不確実な今こそ生きてくる言葉だと思います。恐竜は環境の変化に耐えられずに滅びました。私たちは恐竜になってはいけないのです。


3. 求められる人財になるために

この章では、コラムのタイトルでもある「求められる人材になるために」、いや、求められる人財になるためにはどうすれば良いのかを考えたいと思います。打ち手を提案したいと思います。

米国デロイト・コンサルティングの "A new approach to soft skill development" という記事(英語記事)が2020年5月8日に投稿されました。
要約すると下記の3点です。(この記事のメインテーマはソフトスキルの能力開発ですが、その能力開発はこのコラムの文脈から外れるので、下にリストしていません)

  1. デジタル変革(DX)により自動化される業務が急速に増加する。
  2. 企業は従業員に対して、ソフトスキルを使って、価値を出すことを求めている。(デロイト・コンサルティングの記事では "human capabilities" という言葉を使っています。Capability(ケイパビリティ)とは、◯◯できる能力のことです。)
  3. LinkedInの2019 Global Talent Trends Reportによると、92%の企業が下記のことができる能力が重要であると答えた。今日のビジネス環境においては、その重要性はハードスキル以上であると答えた。(サーベイは2019年のものですが、コロナ禍の今でも言えることだと思います)
  • 創造的に考えられること
  • 課題を解決できること
  • 合意形成できること
  • 難しい会話であっても、どうにかできること
  • チームとして効率的に協働できること
  • その他、ビジネスの成功のために人的な側面のことを扱えること


ソフトスキルとは、対人系のスキルで、コミュニケーション、プレゼンテーション、ファシリテーション、リーダーシップ、チームビルディングなどのスキルです。
なお、ソフトスキルについて、私のコラム 『会議効率化:今後益々重要になるソフトスキルとは?:今理解したい3つの視点』 で私の見解を書いています。

この章をデロイトの最近の記事から始めた理由は、私もBTFコンサルティングという事業を開業した当初から、ソフトスキルはとても重要だと思っているからです。

私が、ファシリテーションを核としたコンサルティング・サービスを営んでいる者だからそう思うのかもしれません。「人と人が議論し合意形成をする、この活動が容易にできるように支援し、うまく合意形成できるようにすること」をするファシリテーターの必要性は、予測困難な不確実な今こそ求められるスキルの1つだ、と私は確信しています。(1章でアクティブ・ラーニングでは教師がファシリテーター役であることを書きました)

予測困難な時に突然現れた課題に対して、「あいつなら何とかしてくれるんじゃないか」、「あいつだったらどうするのか聞いてみたい」、というような「あいつ」になるためには、課題に対してソフトスキルを活用してアプローチできることが必要だと思うのです。ソフトスキルだけで解決できるというものではないと思いますが、核とすべきスキルだと思います。
過去に何か困難そうな課題が出たときに、ソフトスキルを活用して、チームで解決した。そのアプローチは透明性があり論理的で、他の課題が出たときにも使えるような、再現性のあるアプローチだった。
こういう実績があれば、「あいつ」になれるかもしれません。


求められる人財になるために、どう変わるべきなのか、何をすべきなのか。
それは誰かに言われるものではありません。上から言われたとおりにする、というアプローチをとるべきではない、と私は考えます。なぜなら自分事だからです。


変わるということは大変なことです。
そもそも、人は、それが良いことであっても、悪いことであっても、変わることに抵抗するものです。変わるためのエネルギーが必要です。モチベーションが必須です。自分自ら、論理性と納得性を持って、「よし、そうする」と決心しないと絶対変われません。

デール・カーネギーは彼の著書「人を動かす」(ISBN978-4422100517)の中で、『人間は自尊心のかたまりです。人間は他人から言われたことに従いたくないが、自分で思いついたことには喜んで従います。だから、人を動かすには命令してはいけません。自分で思いつかせれば良いのです。』と書いています。

求められる人財になるために、どう変わるべきなのか、何をすべきなのか。あなたのキャリアプランはあなたご自身のものなのですから、あなたご自身で作るしかないのです。とはいうものの、「今までキャリアプランなんて考えたことないよ」という方もいらっしゃるかもしれません。

一例として、私が会社員時代に実施した「次の自分を考える戦略会議」ワークショップの経験をご紹介いたします。
背景としては、会社の組織構造変革によって、私が当時所属していた組織が縮小する(人員が減る)方向性が打ち出されました。ここでは詳しい経緯は省略しますが、抗えない波でした。そんなことが起きると、みんな「自分はどうなるのだろう」と不安になります。各自悶々と沈思黙考してもいいし、コーヒーブレイクの雑談の時に相談してもいいし、いろいろやり方はあったと思います。私が所属する部門がとったアプローチは、ワークショップを開催して、みんなで「次の自分」について対話しながら考えるというものでした。私はメイン・ファシリテーターをやりました。ワークショップの参加人数が50名程度おりまして、多数だったので、ワールドカフェという方法を用いました。

ワールドカフェとは、ファシリテーションを活用したワークショプ開催方法の1つです。
冒頭、部門長に組織構造改革の背景とその内容を説明してもらいました。
そして、ワールドカフェの始まりです。
5人程度で1つのテーブルを囲みます。5人で「どう変わるべきなのか、何をすべきなのか」を自由に話し合います。テーブルにはフリップチャート(模造紙)が置かれています。あとは数色のペンとポストイット、それから脳にブドウ糖を補給するためのお菓子が置かれています。
確かあの時は1ラウンド15分としたように思います。15分自由に話し合い、1人のテーブル・ホスト(Aさん)という役の人を残して、あとの4人は別のテーブルに散っていきます。
2ラウンド目。テーブル・ホストのAさんは新しくそのテーブルに来た人に、そのテーブルで話されたことをフリップに書かれたものを見ながら説明します。新しく来た4人は各自が1ラウンド目のテーブルで話されたことを話します。印象に残っていることを自分の意見を交えて簡潔に話します。その後5人で自由に話します。
15分経ったらテーブル・ホストの1人を残して4人は再びそれぞれ別のテーブルに散っていきます。
これを何ラウンドかやると、全員がお互いの意見を聞き自分が考えることをしたことになるのです。ミツバチが他のテーブルに行って前のテーブルで話されたこと(花粉)を新しいテーブルに受粉させるようなイメージです。他花受粉とも言われています。

結果として、全員が自分たちは何を目指して日々の仕事をするべきか、自ら考える機会となりました。自分が志向するものに向かう人(例:ファシリテーター、プロジェクト・マネージャー)、自ら他部門に異動した人、自ら他社に転職した人など、自分の意思で次のキャリアに進んでいきました。

あなたはどうしますか?

『英語、パソコン、資格……飛びつく前に今、学ぶべきもっとも重要なスキルとは』という記事を見つけました。
身に着けるべきスキルがわかっている社会人は28%しかいないそうです。また、職場で必要なスキルが複雑化してからは、仕事を通じてスキルを獲得すること、個人がそれぞれ異なるスキルや経験を持つことが求められるようになってきた、とも書かれています。前の段落で述べたようなワークショップを開催して、自分と同じ志向の人を見つけたら、その人たちとコミュニティーを作ってお互いに刺激しあいながら研鑽するというアプローチもあります。おススメです。私は会社員時代に、そういったコミュニティーを立ち上げリードすることをやっていたことがあります。勤務時間の中でコミュニティー活動ができる組織にいたという幸運もあったと思います。その活動は好評でした。

コロナが収束しコロナ後となるまでの時間をどう使うかは、あなた次第です。時間はあなたのものなのですから。

自分で決めた「求められる人財」の目標に向かって、コロナ禍の今の時間を使ってみてはいかがでしょうか?
あなたは「求められる人財」に向かって「何ができるように」なりたいですか?


今、多くの人が不安で厳しい環境にいると思います。こんな時だからこそ、自分で自分の目標を定めて、スキル・能力を研鑽してはいかがでしょうか?

ところで、あなたは就職してから、どのくらい勉強していますか?

FACT FULNESS(ISBN978-4822289607)という書籍をご存知の方は多いと思います。知識は陳腐化します。アップデートが必要なのです。同じようにスキルについても、求められるスキルは変わるし、たとえ同じスキルでもアップデートすることが必須です。

落合陽一さんのブログ記事 『先進国一、勉強しない日本の会社員に明日はあるのか?』 があります。

ご存知の通り、海外は成果主義です。私が一緒に仕事をした欧米のビジネスパーソンは、スキル研鑽に余念がなかった、と記憶しています。言い換えると、競争が激しかったのかもしれません。自分を陳腐化させたくないという思いだったのかもしれません。自分の価値を上げたい・キープしたいという思いだったのかもしれません。

最近よく perpetual learning(永久的な学習)とか life-long learning(生涯学習)という言葉を見聞きします。欧米のビジネスパーソンは、何歳になっても学ばなくてはいけない、と思っています。

単なる知識獲得の「お勉強」は十分ではありません。そのお勉強の結果「何ができるようになるのか」が大切です。そのためには、獲得した知識を実務に活用して研鑽することが必須です。



最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 
 
 

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小川芳夫プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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