孤独死があった部屋の電気は止めていい?ブレーカー・冷蔵庫・特殊清掃前の注意点

「夜中にテレビの音が響いて眠れない」
「大きな声や、部屋の中を歩く音が続いている」
認知症が疑われる入居者について、このような相談が管理会社や大家さんへ寄せられることがあります。
近隣住民の生活を守ることは大切です。しかし、本人の事情を確認せず、強く注意するだけでは解決しない場合があります。
夜間騒音の相談が入ったら、次の5つを確認しましょう。
■1.音が発生した日時を記録する
「いつもうるさい」という情報だけでは、原因や対応方法が分かりません。
近隣住民には、可能な範囲で次の内容を記録してもらいます。
・音が聞こえた日と時間
・テレビ、話し声、足音など音の種類
・音が続いた時間
・週に何回ほど起きているか
・睡眠や生活への影響
管理会社も、相談を受けた日時、対応した人、本人へ伝えた内容を残しておきましょう。
■2.日中の落ち着いた時間に訪問する
緊急性がなければ、夜中に突然訪問するのではなく、日中の落ち着いた時間に本人へ確認します。
「夜は眠れていますか」
「テレビの音について相談がありました」
と、責めない言葉で話しかけます。
「近所迷惑です」「認知症ですよね」と決めつけると、本人が不安になり、話し合いが難しくなることがあります。
■3.音が大きくなる原因を探す
夜間騒音には、さまざまな原因があります。
・耳が聞こえにくく、テレビの音量が上がっている
・昼と夜の区別がつきにくくなっている
・不安や寂しさから声を出している
・痛みや体調不良で眠れない
・トイレの場所を探して歩いている
部屋の外から認知症と判断することはできません。
急に生活の様子が変わった場合は、病気や薬の影響も考えられるため、家族や医療・福祉の相談先へ早めにつなぐことが大切です。
■4.本人が続けられる対策を考える
本人の同意を得ながら、小さな対策から始めます。
・テレビの音量に目印を付ける
・字幕や手元スピーカーを使う
・夜間の足元灯を設置する
・生活時間を家族や支援者と見直す
・家具の配置を変えて音を伝わりにくくする
転倒の原因になる厚い敷物や、本人が使いこなせない複雑な機器には注意してください。
■5.管理会社だけで抱え込まない
騒音が繰り返される場合は、本人の同意や状況に応じて、家族、緊急連絡先、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどへ相談します。
火災、転倒、助けを求める声など、命に関わる危険が疑われる場合は、消防や警察へ連絡してください。
近隣住民には「現在、対応を進めています」と伝え、本人の病名や家庭事情は話さないよう配慮しましょう。
■日頃の変化に気づくことが早期発見につながる
夜間騒音は、本人の生活や体調が変化している合図かもしれません。
早めに訪問し、支援先へつなぐことは、室内で倒れた際の発見遅れや孤立を防ぐことにもつながります。
それでも居室内で死亡事故が発生し、発見まで時間が経過した場合には、通常の清掃だけでは取れない臭いが床や壁に残ることがあります。
全花連では、特殊清掃から特許技術「花輪式完全消臭」まで一貫して行い、臭いを香りで隠すのではなく、原因へ処置します。
また、全花連安心サービスでは、入居中から保険や死後の手続きへの備えを整え、万が一の際には、保険の確認、残置物への対応、特殊清掃、完全消臭、退去手続きなどの窓口となります。
夜間騒音への対応で必要なのは、音を止めることだけではありません。
近隣住民の生活を守りながら、音の向こうにある入居者の困りごとを見つけることです。
参考:
厚生労働省「認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」
【次回・第85話】
「認知症が疑われる入居者が外出したまま戻らない!管理会社が急いで確認したい5つのこと」
いつもの時間になっても姿が見えない――。家族から連絡が入ったとき、管理会社は何を確認し、どの時点で警察へ相談すればよいのでしょうか。捜索に役立つ情報と、無事に戻った後の再発防止策を分かりやすくお伝えします。や


