元気な便りに、備えの話を添えて――離れて暮らす家族へ伝える安心

おはようございます。
一般社団法人 全日本花輪式完全消臭連盟、代表理事の花輪隆俊です。
※住まいの備えを考えていただくための架空の物語です。
「来年も、ここで撮ろうね」
アパートの玄関先で、女の子が祖母に言いました。
入学式の帰り道。
ランドセルを背負った孫と、少し背中を伸ばした祖母。その二人を、母親がスマートフォンで撮影していました。
通路の電球を交換していた大家さんは、写真に入らないよう、そっと脇へよけました。
「大家さん、ありがとうございます」
祖母が頭を下げると、女の子もまねをしました。
「おばあちゃんの家、学校から近いんだよ」
「それはよかったね」
大家さんも笑いました。
けれど、その夜。
机の引き出しを開けた大家さんの手が、一枚の紙の上で止まりました。
その女性が入居を申し込んだときの、古い用紙です。
備考欄には、自分の字でこう書いてありました。
「単身・高齢。万一の対応が心配」
あのとき、不安だったのは確かです。
もし室内で亡くなったら。
家族とすぐに連絡がつかなかったら。
残された荷物や、お部屋の清掃は、誰に相談すればよいのか。
小さなアパートを守る自分に、どこまで対応できるのだろう。
だから、返事をするまでに時間がかかりました。
でも、今日の玄関先にいたのは、備考欄の「単身・高齢」という文字ではありませんでした。
孫のランドセルをうれしそうに見つめる、一人のおばあちゃんでした。
大家さんは用紙を閉じ、管理会社へ渡すメモを書き始めました。
「高齢の方の入居を、これからも考えたいです。万一のときに困らない準備を、一緒に確認できませんか」
「心配です」と書いたところで、鉛筆を止めました。
そして、その後に一行を足しました。
「長く住んでもらいたいので」
■ 貸す側の不安にも、暮らす側の願いにも
私は、大家さんや管理会社さんが抱える不安も、大切にしたいと思っています。
万一の対応を心配するのは、建物と、そこで暮らす人たちを守る責任を感じているからでもあるでしょう。
その不安を一つずつ具体的にして、相談先や手順を確かめる。
それが、「貸したい」という気持ちを支える準備になります。
全花連安心サービスは、死後事務委任契約を活用し、万一の際のお部屋の片付けや特殊清掃、消臭、賃貸借契約の解約手続きなどに備える仕組みです。
ご利用にあたっては、契約内容と対応範囲、加入する保険の補償内容・支払条件を事前に確認することが大切です。
まずは管理会社さんと、次の三つを話してみてください。
・万一のとき、最初にどこへ連絡するのか。
・残された家財や解約手続きを、どの契約に基づいて進めるのか。
・必要な費用について、保険で備えられているのか。
答えが曖昧なところがあれば、そこが準備を始める場所です。
■ 「また来年」を、自然に言えるように
翌朝、大家さんは玄関先の電球がきちんとつくことを確かめました。
二階から、あの女性が降りてきます。
「昨日は、お騒がせしました」
「いい写真、撮れましたか」
「ええ。来年も同じ場所で撮るそうです」
大家さんは玄関の前を見て、それから答えました。
「それじゃあ、ここをきれいにしておかないとね」
誰かにとっての賃貸住宅は、毎月家賃を払う部屋です。
そして同時に、孫の背が伸びていくのを見られる場所でもあります。
「また来年」
その言葉を交わせる日々を、住まいの備えから支えていきたいと思います。
一般社団法人 全日本花輪式完全消臭連盟
代表理事 花輪隆俊
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