連帯保証人なら、亡くなった入居者の家財を処分できる?

「保険証券を提出してくださいと伝えても、入居者から返事がありません」
管理会社から、このような相談を受けることがあります。
提出されない理由は、拒否しているとは限りません。
書類をなくした、電子契約で保管場所が分からない、個人情報を見られるのが不安など、さまざまな事情が考えられます。
最初から強い言い方をせず、次のように伝えてみましょう。
■1.「事故が起きたときに、入居者さんを守るための確認です」
「契約だから提出してください」と言われると、入居者は監視されているように感じることがあります。
まず、確認する目的を説明しましょう。
「火災や水漏れ、室内での死亡事故が起きたとき、保険会社へ早く連絡できるように確認しています」
と伝えると、提出する理由が分かりやすくなります。
■2.「必要な項目だけ確認します」
保険証券には、住所、生年月日、保険料などの個人情報が記載されている場合があります。
管理会社が確認したい項目を、あらかじめ伝えましょう。
・保険会社名
・証券番号
・契約期間
・事故時の連絡先
・必要な補償内容
不要な部分は隠して提出してもらうなど、必要以上の情報を集めない方法も考えられます。
■3.「紙の証券がなくても大丈夫です」
最近は、紙の保険証券を発行せず、メールや契約者専用ページで内容を確認する保険もあります。
「紙が見つからなければ、現在の契約期間が分かる画面や継続証でも確認できます」
と伝えましょう。
何を提出すればよいか分からない場合は、入居者本人から保険会社や代理店へ問い合わせてもらいます。
■4.「確認した情報は適切に管理します」
入居者が最も心配するのは、提出した情報がどのように使われるかです。
・何のために使用するのか
・誰が見るのか
・どのように保管するのか
・いつまで保管するのか
を説明しましょう。
メールで送る場合は送信先を明確にし、机の上へ放置したり、関係のない人へ共有したりしないことも大切です。
■5.「補償が足りない場合は、一緒に確認しましょう」
提出された証券を見て、補償が不足していても、責めるような伝え方は避けます。
「万が一の際に困らないよう、次回の更新前に保険会社へ確認してみませんか」
と案内しましょう。
全花連では、備えの目安として、
・残置物・遺品整理費用 50万円以上
・特殊清掃・消臭・原状回復費用 50万円以上
の補償があるかを確認することをおすすめしています。
ただし、保険金が支払われるかどうかは、契約内容と保険会社の判断によって決まります。
■提出させることより、必要性を理解してもらう
保険証券の確認は、管理会社のためだけに行うものではありません。
入居者本人、家族、大家さんを守り、事故後の手続きを止めないための備えです。
日本損害保険協会によると、保険証券には保険の対象、保険金額、保険料などが記載されています。保険証券を紛失した場合でも、保険会社が定める手続きによって契約を確認できる場合があります。
参考:日本損害保険協会「損害保険の契約で使用される書類」
また、保険は費用への備えですが、亡くなった後の残置物への対応や退去手続きを進める人まで決めてくれるものではありません。
全花連安心サービスでは、入居前や契約更新時に死後事務委任に関する契約を整えます。
万が一の際は全花連が窓口となり、本部と地域の特殊清掃完全消臭士が連携して、保険確認、残置物への対応、特殊清掃、特許技術「花輪式完全消臭」、退去手続きを順番に進めます。
大切なのは「提出してください」と繰り返すことではありません。
「なぜ必要なのか」を先に伝え、入居者が安心して協力できる関係をつくることです。
【次回・第66話】
「家財保険に未加入だった!孤独死後の費用は誰が負担する?」
残置物撤去、特殊清掃、完全消臭、原状回復。保険が使えない場合に誰へ確認し、どのような順番で対応すればよいのかを分かりやすくお伝えします。


