身内や賃貸物件で孤独死が疑われるとき、最初にすべきこと|発見時の注意点と正しい対応順序

「家賃保証会社に孤独死の補償が付いているので、入居者の家財保険は必要ありませんよね?」
管理会社や大家さんから、このような質問をいただくことがあります。
しかし、家賃保証会社に付く補償と、入居者が加入する家財保険は同じものではありません。
契約によって内容が異なるため、次の5つを比べましょう。
■1.誰が契約しているのか
入居者の家財保険は、基本的に入居者本人が契約します。
一方、家賃保証会社の孤独死に関する補償は、保証契約に付いている場合や、管理会社・大家さん向けの仕組みとして用意されている場合があります。
まず、保険や保証の正式名称と契約者を確認してください。
■2.誰が請求できるのか
入居者の家財保険へ、大家さんや管理会社が自由に請求できるとは限りません。
相続人、入居者側の関係者、大家さん、管理会社、保証会社など、誰が手続きを行うのかは契約ごとに異なります。
次の3点を確認しましょう。
・誰が事故を連絡するのか
・誰が保険金や保証金を請求するのか
・誰へ支払われるのか
事故後に初めて調べるのではなく、入居前や更新時に確認しておくことが大切です。
■3.補償される費用が違う
孤独死後には、さまざまな費用が発生します。
・残置物や遺品の整理
・特殊清掃
・室内の消臭
・床や壁の原状回復
・空室期間中の家賃損失
・退去や明渡しに関する費用
家財保険では特殊清掃が対象でも、家賃損失は対象外という場合があります。
反対に、保証会社の補償では家賃や原状回復の一部が対象でも、完全消臭までは含まれない場合があります。
「孤独死対応」という名称だけで判断せず、作業ごとに確認しましょう。
■4.限度額と条件が違う
二つの契約に同じような補償が付いていても、それぞれ限度額や条件があります。
・残置物撤去はいくらまでか
・特殊清掃と消臭はいくらまでか
・自己負担額はあるか
・発見までの日数などの条件はあるか
・作業前の承認が必要か
も確認してください。
全花連では、備えの目安として、
・残置物・遺品整理費用 50万円以上
・特殊清掃・消臭・原状回復費用 50万円以上
の補償があるかを確認することをおすすめしています。
これは全花連がすすめる目安であり、保険金の支払いを保証する金額ではありません。
■5.事故後の連絡先が違う
孤独死が確認された後、保証会社だけへ連絡して、家財保険会社への連絡を忘れることがあります。
反対に、家財保険会社へ連絡して安心し、保証会社の補償を確認しない場合もあります。
警察の確認が終わったら、管理会社、大家さん、家財保険会社、保証会社など、関係先へ順番に連絡します。
作業前の写真、見積書、提出期限なども、それぞれ確認してください。
■二つの補償があっても、二重に受け取れるとは限らない
似た補償が二つあっても、同じ損害に対して保険金や保証金をそのまま二重に受け取れるとは限りません。
日本損害保険協会も、契約概要や注意喚起情報では、補償の重複に関する注意事項を確認するよう示しています。
どの契約を先に使うのか、他の保険や保証を申告する必要があるかを、それぞれの窓口へ確認しましょう。
参考:日本損害保険協会「損害保険の契約で使用される書類」
■保険と保証だけでは、手続きを進める人は決まらない
保険や保証は費用への備えです。
しかし、残された家財を扱う権限や、退去手続きを進める人まで自動的に決まるわけではありません。
全花連安心サービスでは、入居前に死後事務委任に関する契約と保険への備えを整えます。
万が一の際は全花連が窓口となり、本部と地域の特殊清掃完全消臭士が連携して、保険・保証の確認、残置物への対応、特殊清掃、特許技術「花輪式完全消臭」、退去手続きを順番に進めます。
大切なのは、保険の数ではありません。
「誰が、何を、いくらまで、どの手順で対応するのか」を事前に整理することです。
【次回・第68話】
「保証会社へ先に連絡?それとも全花連?孤独死発見後の正しい連絡順」
警察、管理会社、大家さん、緊急連絡先、保険会社、保証会社、全花連。連絡する順番を間違えると何が起きるのか、事故発見から特殊清掃開始までの流れを分かりやすくお伝えします。


