【第30弾】一人暮らしの親と連絡が取れない!すぐに確認したい5つのこと

おはようございます。全花連の花輪隆俊です。
携帯電話には、家族の連絡先が残っている。
それでも、具合が悪い日に電話をかけられる相手がいない。
「身寄りがあること」と「頼れる人がいること」は、同じではありません。
とある町の、小さなアパート。
一人で食事をする人の姿を想像してみてください。
その人が、どのような道を歩いて今の暮らしに至ったのか。
部屋の外から見ただけでは、分かりません。
仕事が長続きせず、職を転々としてきた人。
人間関係につまずき、外へ出ることが怖くなった人。
酒やギャンブルの問題を抱え、家族との約束を何度も破ってしまった人。
自分の都合を優先し、暴言や暴力で、大切な人を傷つけてきた人。
背景も、責任の所在も、それぞれ違います。
仕事が続かないことを、すべて「飽きっぽい」「根性がない」で説明することはできません。病気や心身の不調、職場環境などが関係している場合もあります。
ひきこもりも、外から見える姿だけで、その人の苦しさを判断できません。
アルコール依存症やギャンブル依存症には、意思の強さだけで解決しようとせず、治療や支援につながる必要があります。
生活保護を受けていることも、その人の人柄や、これまでの人生を決めつける理由にはなりません。
一方で、見過ごしてはいけない現実もあります。
繰り返された嘘。
返してもらえなかったお金。
浴びせられた暴言。
恐怖の中で耐えてきた家族。
「もう関われません」
その言葉の向こうには、家族が自分の生活と安全を守るために、ようやく決めた距離があるかもしれません。
孤立した本人を心配するあまり、傷ついた家族に「身内でしょう」「面倒を見てあげて」と求めてよいのでしょうか。
暴力を振るった責任は、本人が向き合うべきものです。
依存症や生活の苦しさがあっても、暴力が許されるわけではありません。
そして、家族が距離を置いたあとにも、その人の暮らしは続いていきます。
ここに、家族だけでは解決できない問題があります。
80代の親が50代の子の生活を支える、いわゆる「8050問題」も、その一つです。
「私たちがいなくなったら、この子はどうなるのか」
親が不安を抱えたまま年を重ね、誰にも相談できずにいる。
親を亡くしたあと、生活の段取りも、相談する相手も分からず、一人で取り残されてしまう。
親が支えられるうちから、家族以外とのつながりをつくる必要があります。
私は、特殊清掃に携わる立場から、住まいの問題は、生きている間の暮らしや人とのつながりから考える必要があると思っています。
一人暮らしそのものが、不幸なのではありません。
困ったときにも、誰にも助けを求められない。
その状態が、周囲に知られないまま続くことが心配なのです。
本人には、自分の行動や困りごとに向き合う機会を。
家族には、我慢を重ねずに相談できる場所を。
地域には、家族が支えられなくなっても、支援につなげられる仕組みを。
市区町村の福祉相談窓口、ひきこもりの相談機関、依存症の専門相談など、家族以外に頼る道を、もっと身近にしていく必要があります。
「自分勝手に生きた結果だ」
「あの人には家族がいるから大丈夫だ」
その一言で、考えることを終えていないでしょうか。
人を傷つけた責任を曖昧にせず、それでも孤立したまま命が失われることを防ぐ。
その両方を考えることが、社会には求められているのだと思います。
携帯電話に、家族の名前はある。
でも、今日も誰にも電話をかけられない。
そんな暮らしに、私たちはどう向き合うのでしょうか。
一般社団法人 全日本花輪式完全消臭連盟
代表理事 花輪隆俊
※本文の場面描写は、社会的孤立を考えるための例示であり、特定の個人の実話ではありません。


