黒体炉とは

熊田茂雄

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テーマ:検査技術

 放射温度計を使用する際、計測温度の校正のために、黒体炉(Blackbody furnace)という装置を使用する場合があります。今回はその黒体炉について若干コメントします。

 もともと黒体(Blackbody)とは外部から入射する電磁放射を、あらゆる波長に渡って完全に吸収する物体のことで、完全な意味での黒体(理想黒体)は現実には存在しません。黒体からの電磁放射は黒体放射と言い、その放射量はプランク関数(※)で表せられます。

 黒体炉は黒体を近似的に再現した装置で、赤外線を使った装置の基準光源として広く使用されています。

 黒体炉は、全ての波長の光を吸収する理想的な黒体を模した装置であり、主に赤外線を使用した測定機器の校正や検査に利用されます。

 黒体炉の内部は、外部環境の影響を受けずに、安定した温度を保つことができるということで、放射温度計や赤外線カメラの基準光源として使用されています。

●黒体炉の使い方
 ①測定したい対象物(赤外線センサーや放射温度計など)を黒体炉の視野内に配置します。対象物の放射率を考慮し、必要に応じて設定を行います。

 ②黒体炉からの放射量を測定し、対象物の温度を校正します。赤外線測定器の応答性を確認するために、黒体炉の放射特性と比較します。

 ③測定結果を分析し、必要に応じてデータを記録します。この黒体炉を使用することで、赤外線測定器の精度を向上させることができます。

(※)プランク関数は、1900年にドイツの物理学者マックス・プランクによって導入されたものです。プランクの法則は、黒体(理想的な放射体)が特定の温度で放射する電磁波の強度を、周波数または波長の関数として表現しています。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/blackbodyfurnace

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専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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