ヘリカル加工について

熊田茂雄

熊田茂雄

テーマ:部品加工技術

 ヘリカル加工(Helical Machining)とは、工具をねじのような円軌道で動かしながら切削する加工方法です。ドリルでは難しい大径穴の加工や高精度な内径加工に適しており、ポケット加工(※)にも広く使われています。

 マシニングセンタの〈ヘリカル補間機能〉を用いてエンドミルをらせん状に動かすことで実現し、工具への負担を分散させ、比較的安定した仕上がりが得られる加工法です。

 マシニングによる穴加工には、このヘリカル加工に対し、真円加工というのがあります。

エンドミルなどの工具で、●●ミリ、Zが下がって円弧で回って、また、●●ミリ下がって円弧で回る事を繰り返します。Zの下げる量は(2枚刃の場合)径の半分です。例えばφ8EMであれば4ミリずつです。穴を広げる時に便利なサイクルです。その為、下穴をあけておかないと、Zが下がった時に当たってしまいます。したがって、エンドミル径以上の下穴をドリルで前もってあけておく必要があります。

 一方、ヘリカル加工の場合は、螺旋階段状に回りながらZが下がっていく加工法であり、最後に、底面に到達したら、同じ深さで一周して、底面を仕上げます。真円加工とは違って刃先先端で削っていくのが特徴で下穴をあける必要はありません。

(※)ポケット加工とは、部品の表面にくぼみ(ポケット)を作るための加工方法です。 ポケット加工は、金型部品や機械部品でよく使われ、四角形・円形・不定形など、さまざまな形状が可能です。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/helicalmachining

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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