ヒュージングのメカニズム

熊田茂雄

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テーマ:溶接技術

 巻線の端末処理としてのヒュージング加工の目的は、巻き線の両端末をターミナルに電気的・機械的に接続することにありました。このヒュージング加工のメカニズムについて代表的な単線のヒュージングについてコメントします。(複線、ごく細線等については、メカニズムが異なる場合があるので、参考までに・・)

 端末導線がU字型に折り曲げられたターミナルに挟み込みまれた状態をスタートとして記述すると・・・
①初期(ターミナル発熱→巻線皮膜溶融開始)
 電極間に流れる電流の最初の数サイクルは、ターミナルのU字部分に迂回して流れ、そのU字部分が主に発熱する。(この時点では、巻き線皮膜部分に電流は流れない。)その発熱によって、巻線皮膜部分が溶融開始する。

②中期(巻線皮膜溶融)
 巻線皮膜が溶融し、線材を挟んだ部分に電流が流れ出し、電極加圧とともに挟み込み部全体を発熱しながら、つぶしていく。(線材を挟んだ部分への電流の流れだすのが遅れると、U字部分が異常に発熱し、スパーク(爆飛)することがある。)

③終期(ヒュージング完了)
十分に挟み込み部全体が発熱(一体化)した時点で、通電は終了し、若干の電極加圧保持時間をおいたのち、ヒュージングは終了する。(電気的・機械的な接続が完了する)

 上記のようなヒュージング工程のメカニズムを考慮に入れた条件設定が特に重要であると考えます。このような工程設計上の検討内容に対する指導・支援が生産技術コンサルティングの対象となります。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/fusingmechanism

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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