超音波鉸め加工について

熊田茂雄

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テーマ:組立加工技術

 超音波鉸め加工とは組付け加工の一種であり、樹脂部品に直接超音波振動子(ホーン)による熱変形を与えて、相手部品(金属部品が主)を固定させる工程です。(超音波スウェージング加工とも称せられる。)

 超音波鉸めは、超音波溶着と異なり(超音波溶着は樹脂どうしの圧接部分で溶着させることを目的に超音波振動を与えるため、振動伝達部は樹脂に変形を与えないよう極力フラットにしておく)、超音波振動するホーンの先端(鉸め形状に合わせた様々な形)にて直接樹脂を熱変形させることにより、もう一方の部品の固定化をはかるものです。(リベットタイプの鉸め形状が主流)

 加工条件としては、振動子(ホーン)の発振振幅、加圧力、加圧時間であり、鉸め高さを確保するための外部ストッパーを設定する必要があります。

 出来映え評価としては、外観(バリ、亀裂、しわ等)、鉸め寸法、鉸め強度(抜き取り)、ガタ、断面形状(抜き取り)等があげられます。

 超音波鉸めは、樹脂を直接熱変形させるため、条件設定時は樹脂の鉸め部の外観(溶融バリ、亀裂等)に対し、特に注意する必要があります。(異物、外観対応等)
又、超音波振動が部品各部に伝わるため、意図しない部分の溶着や、クラック等、注意する必要があります。

 この超音波鉸め加工における 条件設定(ホーン選定、振幅、加圧力、加圧時間等)の進め方、評価確認の仕方等、工程設計全般がコンサルティング対象となります。

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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