パイプ圧入について

熊田茂雄

熊田茂雄

テーマ:組立加工技術

 パイプ圧入とは圧入加工の一種であり、パイプ状の金属部品を相手部品(金属に穴あけを施した部品等)に挿入・固定させるために、加圧力を加えて一体化させる工程です。

 圧入部はそのほとんどが円形(円筒形)であり、嵌合代を設けて行います。この嵌合代のバラツキ等を考慮した、条件設定、不良品払い出し機構等を工程設計上、検討する必要があります。

 一般的には加工条件として一定の加圧力、加圧スピードで圧入を行い、出来映えとしての圧入寸法を確保するためにストッパー(ワークストッパー、外部(治具)ストッパー)を設けて行います。

 出来映え評価としては、外観(変形、傷等)、圧入寸法、抜け強度等があげられます。

 パイプ圧入で特に注意すべき点は、その抜け力保証にあります。一般的な圧入の場合には、圧入時の圧入力と抜け力には相関関係がありますが、パイプ圧入の場合は、パイプが若干スウェージングされ、保持力が極端に低下する場合があります。条件設定の時、その状況を十分に確認する等の注意が必要となります。(穴径・穴の開口部形状、パイプ径・パイプ先端形状、パイプ厚と変形量の関係確認等)

 このパイプ圧入加工については、上記のような工程設計上の検討内容等に対する指導・支援がコンサルティング対象となります。


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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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