CFRPの抄造について

熊田茂雄

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テーマ:材料技術

 リサイクル炭素繊維を用いたCFRP部品の製造を目的とした、CFRPの抄造(CFRP Papermaking)についてコメントします。

 CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の抄造技術については、近年、リサイクル炭素繊維を用いた高剛性CFRP遠心抄造法が研究開発されています。この技術は、リサイクル炭素繊維を一方向に整理し、高強度・高剛性のCFRP板を製造するものです。

 この技術は、現在、特に自動車や航空機、建築物などの分野での応用が期待されています。また、橋梁補修にも活用されることで、老朽化した橋梁の寿命を延ばすことができるというものです。

 もともと、抄造製法は不織布を製作する方法ですが、不織布の製法には「乾式」と「湿式」の2種類がある中、今回の抄造製法は「湿式」の製法となります。

 今回のCFRP部品の製造工程としては、抄造製法により、粉末状のフェノール樹脂と高強度かつ環境負荷が低いリサイクル炭素繊維を均一に分散させてシート状の中間材を製作します。その中間材を製品形状に打ち抜き、乾燥後積層して加熱加圧成形します。

 CFRPを抄造することにより、不連続繊維を高い分散性でランダムに配向させることが可能になります。これにより、ばらつきの少ない高強度な製品を作ることができるわけです。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/cfrppapermaking

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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