ヘール加工について

熊田茂雄

熊田茂雄

テーマ:部品加工技術

 ヘール加工(Hale processing )とは、マシニングセンターでバイトを進行方向に対して平行に動かして行う加工方法です。製品の突端の平面加工にも使用されますが、最も多いのは溝加工です。

 ヘール加工専用の制御システムを搭載することで、ヘールバイトを使用したシール面加工が可能になり、仕上げ作業を簡略化、または省略することが出来ます。

 ヘール加工で使用されるヘールバイトは一様に、刃先が直線であることが特徴です。ワークへのビビリや食い込みなどを抑制する必要があり、シャンク部をバネ状にしたものや、近年では素材の剛性等がより良くなったため、より硬い素材を使った直線型のバイトも増えています。

 このヘールバイトを、ドリルやエンドミルのように回転させずに、進行方向に刃先を真っすぐ動かして加工を行います。

 ヘール加工は、シール面の複雑な形状を連続的に滑らかに加工するために、NC機能の直線補間および円弧補間機能を用います。また、断面形状を一定に保つために、ヘールバイトの前切れ刃面を絶えず進行方向に向くように制御することが必要で、円弧部では常に進行方向に切れ刃面が向くように、滑らかに回転軸を制御することができる機能を準備しています。

 ヘール加工の仕上がり面は、使用した刃物の仕上がり面粗さがそのまま転写されることから、切れ刃部分の面粗さをより高品質に仕上げることが大切です。

 ヘールバイトの材質は、コバルト系ハイス、超微粒子超硬合金、コンパックスダイヤモンド、単結晶ダイヤ、CBNなどがあります。ヘールホルダはスプリング機能を持ち合わせていることを特徴としています。

 このスプリング機能は、切削力の変化に対して、刃先を囲う面より逃がす作用があり、加工面に食い込みを生じないような機能を持っています。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/haleprocessing

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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