高周波誘電加熱について

熊田茂雄

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テーマ:材料技術

 あらゆる製造工程になくてはならない熱処理プロセスを飛躍的に合理化させ省力化させる次世代のキーテクノロジーとして電波過熱があります。その電波過熱の一つである高周波誘電加熱(High Frequency Dielectric Heating)についてコメントします。

 加熱する方法には、対象物の外側から熱を加える「外部加熱」と、対象物自体が発熱体となり、内部から熱を発生させる「内部加熱」の2種類あります。「高周波誘電加熱」は内部加熱です。

「外部加熱」と「内部加熱」を簡単に説明すると下記のようになります。
①外部加熱
 外部加熱は、対象物に外部熱源から熱を加える方法で、お湯を沸かす、調理をするなど身近な加熱のほとんどが外部加熱です。熱の伝わり方によって「伝導・対流・放射」の3つの原理に分けられ、これを「熱移動の三原則」と呼んでいます。
②内部加熱
 一方「内部加熱」とは、文字通り「内側から加熱する方法」で、電気を利用する方法と、磁気を利用する方法の2通りあります。前者を「高周波誘電加熱」、後者を「高周波誘導加熱」といいます。

「高周波誘電加熱」について言うと・・・
 電気を通さない「誘電体(塩化ビニール等)」に電圧をかけた場合、導電体同様、すべての原子は電極側に引き寄せられますが、自由電子のように原子核から離れることができません。原子は一斉に同じ方向を向き、プラスとマイナスの方向が揃います。この現象を「誘電分極」と言います。

 これを利用しているのが「高周波誘電加熱」です。電極のプラス/マイナスの入替えを高速で行うことにより、原子の向きを高速で変えることで原子の衝突や摩擦が生まれ、熱を発生させているわけです。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/highfrequencydielectricheating

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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