UV塗装について

熊田茂雄

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テーマ:表面処理技術

 UV塗装(UV coating)は、紫外線照射によって反応硬化する塗料を使用して、UVランプの紫外線照射により、塗料を数秒で硬化させる焼付け塗装です。紫外線の熱エネルギーでの強制乾燥や、紫外線の光エネルギーによる乾燥時間の短縮ではないので、自然乾燥塗装とは全く異なる塗装方法です。

 UV塗装は、アクリレートと呼ばれる樹脂の材料となる物を主原料としたUV塗料に、紫外線UV(UltraViolet Rays)を当てることで光重合反応と呼ばれる作用を用いて硬化させる塗装方法です。

 他の塗装方法と比べると分子間の結合が強く最高でガラスに匹敵するほどの極めて硬い塗膜を作る事が出来るという特徴があります。

 また、焼付け塗装や強制乾燥、自然乾燥などと比べて硬化時間が短いことや塗膜硬度が高いことが主な特徴になります。

 UV塗装は、光硬化樹脂の原理を塗装に応用しており、塗装の用途以外では建築用のパテや虫歯予防のための歯の隙間埋め等に使われています。また、紫外線以外の波長を用いる「光硬化」系の塗装もありますが、特にエネルギー密度の高い紫外線領域を用いることでさらなる硬化時間の短縮を可能にしていることも特徴の一つとして挙げられます。

 また、UV塗装は有機溶剤を使わない事から他の塗料よりも安全と言えます。そのため家庭用として使われることもありテーブルなどの家具やフローリングの塗装や、耐久性もあるため水回りの浴槽やキッチンに使われることがあります。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/uvcoating

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熊田茂雄
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熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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