トルクコイルについて

熊田茂雄

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テーマ:機械要素技術

 コイルばねには、圧縮ばね、引張りばね、ねじりばね等がありますが、このばね(コイル)製造の技術を応用した特殊なばね(コイル)として、トルクコイル(多条多層コイル;Torque coil)といわれるものがあります。

 トルクコイルは、髪の毛程の細い素線を数本まとめてコイリングし、三層に重ねたコイルであり、長尺でありながら、ムラの少ない回転同期性を実現しています。また、コイルの回転方向に力を与え、ねじれる力を受け止めたり、反発したり、振動緩和するためのばねとしても使用されます。

 トルクコイルは、上記のように、髪の毛ほどの細い素線を数本まとめて巻いたコイルであり、ここでいう「条」とは、コイリングする際の素線の”本数”を指し、条数によって剛性を変えることができます。

 トルクコイルは、非常に優れた柔軟性と回転同期性を備えており、手元の回転動作を先端部に正確に伝えることができます。曲がりくねった血管内や大腸などの屈曲した部位でも優れた回転同期性を発揮するため、血管内イメージングデバイスや内視鏡処置具などに用いられています。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/torquecoil

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熊田茂雄
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熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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