クラッド材とは

熊田茂雄

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テーマ:材料技術

 クラッド(クラッド材;Clad Material)とは、異なる金属を圧力や熱を加えて接合する技術です。これにより、単一の金属では得られない特性を持つ複合材料を作り出すことができます。例えば、ステンレスと銅をクラッドすることで、ステンレスの強度や耐食性と銅の導電性を兼ね備えた材料ができるわけです。

 クラッド材を作るにはいくつかの方法がありますが、主なものをあげると下記のようになります。
 ・圧接法:冷間、温間、熱間の圧接法があり、圧力を主体として金属を接合する方法。
 ・爆接法:火薬の爆発による圧力と熱で金属を接合する方法。
 ・溶湯法:溶けた金属を別の金属に流し込んで接合する方法。
 ・溶接法:金属の境界部を溶かして接合する方法。
 ・めっきリロール法:電気めっき後に圧延や熱処理を行い、金属間を結合する方法。

 クラッドの利点には、異なる金属の特性を組み合わせることで、耐食性、強度、導電性などの性能を向上させることが挙げられ、また、接合面が強固で剥離しにくい点も特徴です。

これを含めてクラッドの主な特徴をまとめると以下のようになります。
 ・多種多様な金属の組合わせが可能。
 ・強固な金属間接合により合金層(拡散層)を形成するため、剥離しづらい。
 ・めっき等の表面処理と異なり、クラッド皮膜を厚くする事が出来る。
 ・板厚比率を調整することが出来る。(自由度大)
 ・多元合金を接合する事が出来る。
 ・硬さを調節する事が出来る。
 ・圧延仕上げのため、表面が平滑できめ細かい。
 ・ストライプ状のインレイクラッド、エッジレイクラッドが製造可能。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/cladmaterial

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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