CFRTPについて

熊田茂雄

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テーマ:材料技術

 近年、炭素繊維(CF:Carbon Fiber)と繊維への含侵性や密着性に優れた熱硬化性樹脂(Thermosetting resin)を用いた炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)が主流となっていますが、これに対し、CFRTP(Carbon Fiber Reinforced Thermo plastics)は、CFを強化材とし、母材に熱硬化性樹脂ではなく、熱可塑性樹脂(Thermoplastic resin)を用いた繊維強化プラスチックです。

 CFRPは成形プロセスや二次加工性が金属加工と大きく異なるため、適用分野の拡大やコスト競争力があるFRP製品の実現への制約となっていましたが、 CFRTPでは、成形プロセスの短縮、プレス加工や溶融接合が可能であり、大幅な生産性の向上と低コストを両立することができます。

以下に、このCFRTPの特徴と用途について簡単に説明します。
★特徴
・熱可塑性樹脂:CFRTPは熱を加えると柔らかくなり、冷やすと再び硬化する性質を持っています。このため、成形が容易でリサイクルが可能です。
・高強度・高剛性:炭素繊維の強度と剛性を持ちながら、軽量であるため、さまざまな用途に適しています。
・耐衝撃性:特定のCFRTPは、耐衝撃性を向上させるために異種繊維と組み合わせて使用されることがあります。

★用途
・自動車部品:軽量化と高強度が求められる部品に使用できます。
・スポーツ用品:サッカースパイクやテニスラケットなど、軽量で高強度が求められる製品に適しています。
・航空宇宙:複雑な形状の部品や高性能が求められる部品に使用できます。

 以上のように、CFRTPは、リサイクル可能で成形が容易なため、環境に優しい素材としても脚光を浴びています。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/carbonfiberreinforcedthermoplastics

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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