リフロー炉について

熊田茂雄

熊田茂雄

テーマ:表面実装

 表面実装工程を構成する設備としてリフロー炉(reflow soldering device)があります。

 リフロー炉は、プリント基板に電子部品をはんだ付けするための加熱装置です。リフロー炉は、複数の加熱・冷却ユニットを使用して、実装基板やソルダペーストに適した温度制御を行い、はんだ付けを行います。

 リフロー炉には、窒素雰囲気、真空雰囲気、大気雰囲気などの種類があり、用途に応じて選ぶことができます。例えば、高温はんだ用や微細バンプ形成用、パワーデバイス用などの特定の用途に対応したモデルもあります。

 窒素リフロー炉は、はんだ付けプロセスで窒素ガスを供給することで、酸化を防ぎ、はんだの濡れ性を向上させる役割を果たします。これにより、より高品質なはんだ接合が可能になります。

 例えば、株式会社大和製作所の窒素リフロー炉は、上下からの強制対流加熱と低酸素濃度リフローを実現し、基板の裏面からも加熱できるため、半田の濡れ性を向上させます。また、タムラ製作所のTNV-EM Eシリーズは、省エネ設計と窒素消費量の削減を特徴としています。

 真空リフロー炉は、はんだ付けプロセスにおいてボイド(空隙)を低減するために使用される装置です。真空環境下でリフローを行うことで、酸化を防ぎ、はんだの品質を向上させることができます。

 例えば、千住金属工業の「SVR-625GTC」モデルは、熱風真空N2リフロー炉で、ボイドを無くすための真空コントロール機構を備えています。また、株式会社オリジンのギ酸還元真空リフロー炉は、フラックス洗浄が不要で、ボイド低減に有効な真空プロセスを用いることができます。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/reflowsolderingdevice

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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