モータコア積層技術について

熊田茂雄

熊田茂雄

テーマ:組立加工技術

 EV用モータ等で注目されているモータの核となるモータコアの積層化技術(Motor core lamination technology)についてコメントします。

 モーターコアを積層する理由は、絶縁した板を積層しなければモーターとして成り立たないためです。積層しない場合、渦電流が発生してロスが大きくなります。そのため、電磁鋼板のような絶縁板を積層してモーターコアとすることで、渦電流の発生を防止します。

積層すればするほど、鉄損失が減り、モーターの効率が向上します。

 生産技術的に注目すべきはその積層化技術ですが、大きくは 鉸め方式、レーザー溶接方式、接着方式があります。
その内容を列挙すると・・

 (1)鉸め方式(Half-blanking Systems)
   打ち抜き材を順次鉸めて積層していく方式です。
   鉸め方式は量産性に優れ、ロボット用や自動車用、医療機器用のモーターコアに採用されています。

 (2)レーザー溶接方式(Laser Welding Systems)
   打ち抜き材を積層し、レーザー溶接で接合していく方式であり、高いレベルでの積層強度が得られます。
    レーザー溶接方式は小さい加工品にも対応でき、ロボット用や工具用、極小モーター用に適しています。

 (3)接着方式(Bonding Systems)
   材料に接着剤を塗布して積層・固着していく方式であり、高い占積率が確保でき、モータ特性も向上します。
   接着方式は高機能モーターや医療機器などに適しています。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/motorcorelamination

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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