クリームはんだ印刷機について

熊田茂雄

熊田茂雄

テーマ:表面実装

 表面実装の先頭工程に位置するクリームはんだ印刷工程を担う機械であるクリームはんだ印刷機(Cream solder printing machine)についてコメントします。

 表面実装工程の一つであるプリント基板実装工程ではチップマウンターでプリント基板上に電子部品を実装しますが、その前工程として部品搭載場所へクリームはんだ印刷を行う工程があります。
 
 クリームはんだ印刷工程はチップマウンター工程の動作スピードと比べるとかなりゆっくりとした工程ですが非常に重要な工程です。この工程で実装品質の70%が決まるとも言われる大事な工程となります。

 ここで、クリームはんだとは、プリント基板にはんだを印刷する場合に使用する電子材料で、はんだ合金粉とフラックスを混ぜたペースト状のはんだ材料の事です。

 クリームはんだ印刷工程の印刷品質を決定づけるパラメータとしては、「印圧」「スキージ速度」「クリアランス」「版離れ」などがあり、主にこの4つパラメータで印刷品質のコントロールが可能と言われています。

・印圧とはスキージへ付加する加重の事で、印圧を上げすぎると掻き取りすぎてエグレが発生し、逆に印圧が弱すぎると印刷(充填)が不十分になります。
メタルマスク上のクリームはんだ残りを確認して印圧を調整する必要があります。

・スキージ速度はその名の通り、スキージの送りスピードであり、スピードが早すぎても遅すぎてもクリームはんだ印刷精度に悪影響を及ぼします。

・クリアランスとは、メタルマスクと基板とのGAPを言いますが、クリームはんだ印刷機メーカー、メタルマスクメーカーによってクリアランス値が変わりますので目安としては目視/触って確かめて数値設定をおこないます。

・版離れとはメタルマスクとプリント基板の密着性を解除する動作でであり、クリームはんだ印刷工程の最後の動作を言います。この動作でクリームはんだ印刷の形状が決まるため注意が必要になります。主な動作は大きく分けて「等速度」「加速度」等の動作があります。
 (等速度:設定された一定速度で密着性解除 加速度:最終速度が設定速度)

 これらのパラメータの影響度合いをしっかり確認し、(工場実験等で)最適な印刷条件設定を行うことが重要となります。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/creamsolderprintingmachine

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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