オーステンパー処理について

熊田茂雄

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テーマ:材料技術

 オーステンパー処理(Austemper)は、高炭素鋼(C:0.6%~)薄板(t:~2.0mm)製品に、強靭なばね性能を付与する連続熱処理です。

 無酸化雰囲気炉内でオーステナイト領域(800℃~900℃程度)まで加熱後、S字ノーズの下方温度域(300℃~450℃程度)に恒温保持し、その後冷却することにより、製品にベイナイト組織を付与します。

 オーステンパー処理(Austemper)により、熱歪み・寸法変化が極めて少なく、良好なばね性能が得られる為、薄板ばね等に多用されています。

●オーステンパー処理の特性
①強靭な靭性・耐衝撃性
 通常の焼入れ焼戻し工程で得られるマルテンサイト組織に比較して、ベイナイト組織は靭性・耐衝撃性・耐摩耗性を著しく向上させます。

②熱歪・寸法変化の低減
 加熱温度域と恒温保持温度域の温度差が小さい為、製品に与えるストレスを最小限に抑えられ、歪・寸法変化を低減させることが可能です。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/austemper

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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