NMB接合について

熊田茂雄

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テーマ:溶接技術

 以前参加した第9回名古屋ものづくりワールド展示会(Manufacturing World 2024 Nagoya 、ポートメッセなごや)で確認できた加工技術にNMB接合(ネツレン Magic Bond)というものがあったので、ここで紹介します。

 NMB接合は、接合表面に特殊な処理(炭素系の特殊な材料を添加)を施し、加圧しながら接合部近傍のみを高周波誘導加熱等で加熱するのみの接合であり、接合時の制御因子は、この加圧力と加熱条件のみとのことです。従来の摩擦圧接加工と比較すると、接合部のバリはほとんど出ず、歪の非常に少ない接合品質が得られるというものです。また、接合部の強度は、強度試験で接合部以外で母材破断となることから、素材強度以上と推定されます。

 ネツレンでは、長年にわたって高周波誘導加熱をはじめとする熱処理技術を進化させ、自動車、建設機械、機械部品の高強度化に 貢献してきており、このNMB接合は熱処理技術と鉄鋼材料の特性を組合わせた、 従来の溶接などとは異なる全く新しい魔法のような接合技術ができたとのことです。

【NMB接合の特徴】
●異形材の接合が可能
 接合により形を作れるので、削り出し等の一体成型品と比べて、材料費と加工費を減らすことができる。
●異鋼種の接合が可能
 必要な部分だけ高価な材料を使うことで、材料費を減らすことができる。
●後工程の簡略化が可能
 寸法精度が高く、接合によるばりなどが少ないため、後工程を簡略化することができる。
●通常の接合ができなかった部品の接合が可能
 複雑形状のものや部品の内部などこれまでの加工、接合方法ではできなかった部品の製作が可能になる。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/neturenmagicbond

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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