ボールねじについて

熊田茂雄

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テーマ:機械要素技術

 ワークの搬送や位置決めのために用いられる機械要素としてボールねじ(ball screw)があります。ボールねじは、主に半導体製造装置や産業用機械、工作機械の搬送や位置決めなどの幅広い分野で利用されています。

 ボールねじ(ball screw)は、ねじ軸、ナット、ボールなどから構成されており、モーターなどの回転運動を直線運動に変換する機械要素です。
(直線運動を回転運動に変換することも可能です。 )

 ボールねじは、ねじ軸とナットの間のボールが循環することで、より軽い推進力で転動させることができます。ボールの働きにより、摩擦係数が非常に小さくなり、エネルギー効率が高いことが主な特長です。ただ衝撃には強くないため、振動が発生する環境下ではベアリングを利用するなどの対策が必要です。

 ボールねじを用いる際に起こりがちなトラブルに、ごみや異物の侵入があります。ボールねじの内部に異物が侵入すると、損傷や剥離が起こることで内部の鋼球が上手く循環できなくなります。そのため、加工などにより鉄や砂の粉塵が飛び散る環境下では、シールなどでボールねじを保護するなどの対策が重要になります。

 ボールねじは、ねじ軸、ナット、鋼球の複数の部品からなる機械要素のため、組み付け精度が非常に重要です。ボールねじは、軸方向にかかる荷重(アキシアル荷重)に対してのみ対応する機械要素のため、ラジアル荷重やモーメント荷重を受けることはできません。これらの荷重を受けると、一部の鋼球やねじ溝に負荷がかかりすぎてしまい、寿命を大幅に低下させてしまいます。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/ballscrew

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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