メガキャストについて

熊田茂雄

熊田茂雄

テーマ:部品加工技術

 大型鋳造は最近注目されている技術ですが、この代表であるメガキャスト(Megacasting)とは、従来より大きな鋳造部品を一体成形するための技術です。

 メガキャストは、「ギガキャスト(ギガキャスティング)」や「ギガプレス」などとも呼ばれ、Al合金ダイカスト製の複雑な形状の大型部品を一体成形する鋳造技術です。 従来は数十~100点前後に及ぶ部品を一体成形できるため、製造工程や部品点数を大幅に減らすことができ、EVのコスト削減に寄与するとされています。

メガキャストには、下記のようなメリットが考えられます。
①部品点数の削減
 従来の方法では、100以上の個別の金属部品を組み立てる必要がありましたが、メガキャストでは個別の部品を製造することなく、一つの大きな部品を一発成型することができます。

②コストの削減
 テスラ社は、車体の後部のコンポーネントにメガキャストを使うことで、関連するコストを40%削減できたと述べています。

③生産ラインの簡素化
 テスラ社では、メガキャストを使うことで、ロボットの数を600台減らすことができたとされています。結果、製造にかかる時間が短縮され、必要のない在庫を抱えることなく、顧客に迅速に車を届けることができるようになります。

一方、メガキャストのデメリットとしては・・
①メンテナンス性の悪化と修理費用の増加
②少量多品種には向かない
③設計自由度の低下
  などがあげられます。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/megacasting


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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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