LCRメータについて

熊田茂雄

熊田茂雄

テーマ:検査技術

生産技術が扱う電気・電子系製品を対象とした計測器の中に、LCRメータ(LCR meter)があります。

 LCRメータはインピーダンスと呼ばれる物理量を測定する計測器です。インピーダンスは量記号「Z」で現され、交流電流の流れにくさを示します。測定対象へ流れる電流「I」と両端電圧「V」より求めることができます。インピーダンスは複素平面上のベクトルとして表現されますので、LCRメータでは、電流実効値と電圧実効値の比だけでなく電流波形と電圧波形の位相差を測定します。

 LCRメータの計測回路として多く採用されている回路方式のひとつに「自動平衡ブリッジ法」があげられます。Hc、Hp、Lp、Lcの4つの端子を有し、全ての端子が測定対象に接続されます。各端子の機能は下記のようになります。

Hc:周波数、振幅が制御された測定信号を測定対象へ印加する発生端子です。周波数は数mHzから数MHzまで、振幅は5mVから5Vまで制御可能です。
Hp:測定対象のHi側電位を検出します。検出回路の入力インピーダンスは非常に高く、電圧降下なく正確に電位検出が可能です。
Lp:測定対象のLo側電位を検出します。
Lc:検出抵抗により測定対象に流れる電流を電圧変換し検出します。Lc端子の電位は常に0Vになるよう動作します。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/lcrmeter


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熊田茂雄
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熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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