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廃棄/リサイクル設備

熊田茂雄

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テーマ:その他

 現在、盛んに叫ばれているSDGsの対象として、プラスチック等の廃棄やリサイクルのための設備(切断機、破砕機、粉砕機、減容機等)が、脚光を浴びつつあります。その中で今回は、当コンサルティング事業で最近対応した経験のある廃棄/リサイクル関連設備の内容(一部)についてその概要をコメントします。

 切断、破砕、粉砕のそれぞれの違いについては明確な定義はないものの、切断;数センチ~数十センチに分割切断する操作、破砕;数センチの粗い粒子に砕く操作、粉砕;数ミリ程度以下の粒度に砕く操作 と言われています。(これらについては、他に、粗砕、中砕、粉砕という形での分け方もあるようです。)以下にこれらの設備の内容について列挙します。(減容機についても最後に追加)

●切断機
 切断機には、主に金属の切断に使用されるシャー(剪断)式と、プラスチック・ゴム・繊維などに使用される押切り式があります。駆動には油圧シリンダー式と機械(クランク・回転)式がありますが、ほとんどは油圧シリンダー式が採用されているようです。

●破砕機
 1軸回転剪断式破砕機は、低速回転を可能にしたヘリカルカッターの回転刃と、本体側にセットした軸心平行の固定刃の刃先間に作用する剪断力を主破砕力としたものです。
 2軸回転剪断式破砕機は、プラスチックだけでなく広く採用されている機械で、異速で回転する2軸に回転刃を組み込み、回転刃の全周を常にオーバーラップさせてエッジ間に連続剪断力が働く仕組みとなっています。

●粉砕機
 粉砕機には微粉砕機と超微粉砕機があり、微粉砕機は一般的に下記のような粉砕方式が採用されています。(微粉砕機の内容は、ネット検索による。超微粉砕機については省略します。)
 ①ローラーミル方式
 数個のローラーが重力や遠心力、ばねの力などによって回転するテーブルまたは鉢形の粉砕容器に対して押しつけられるような構造になっており,両者の間に挟まれた砕料を圧縮粉砕する。粉砕され,細かくなった粒子は気流によって排出される。
 ②ジェットミル方式
 数気圧以上の圧搾空気、または高圧蒸気、高圧ガスを噴射ノズルより噴出させ、このジェット気流によって原料粒子を加速し、加速された粒子どうしの衝突または加速された粒子との衝突作用や衝撃作用、および摩砕によって粉砕する。
 ③高速回転粉砕機(ハンマーミル方式)
 高速回転するハンマーによって供給粒子に衝撃を加え粉砕する。ハンマーはスウィングハンマータイプである。また出口側に多孔板やスクリーン、グリットなどをおいて、いわゆるスクリーンミルとして粉砕製品の粒度のコントロールを行う。
 ④高速回転粉砕機(ピンミル方式)
 向かい合った2枚の円板の表面に数十本ないしそれ以上のピンを互いにかみ合うように植え、片方の円板あるいは両方の円板を高速で回転させて砕料を円板中心に供給し、遠心力で円周方向に移動する間にピンによる衝撃力、せん断力によって粉砕を行う。
 ⑤容器駆動型ミル(回転ミル方式)
 水平軸を中心として回転円筒の中に、その容積の1/3を満たす量の粉砕媒体(ボール、ロッドなど)を充填し、これを回転させることによって砕料を粉砕する。
 ⑥容器駆動型ミル(振動ミル方式)
 円筒状ないしトラフ状のミル内にボールその他の粉砕媒体を充填し、このミルに振動を加え、媒体に運動を与えて粉砕する。
 ⑦容器駆動型ミル(遊星ミル方式)
 砕料とともにボールを充填した容器が自転しながら公転する機構によって、媒体同士および、媒体-容器内壁間の衝突力により粉砕する。

●減容機
一方、減容機と呼ばれているプラスチックの容積を小さく処理するために使われるものがあります。特に、廃プラスチックの減容化には、機械的に圧縮する方法と加熱して溶かして固める方法に大別されます。圧縮する方法は、1/10程度と減容効果は大きくないですが、異物が多少混入しても問題がないのに対し、溶かして固める方法は金属等の混入をできるだけ避けなければならないという欠点はありますが、減容は1/15以上と大きい効果が得られるものです。
写真は(株)名濃殿の高速粉砕機を参考に掲載させていただきました。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/recyclingequipment


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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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