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炭素繊維について

熊田茂雄

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テーマ:材料技術

 炭素繊維(Carbon Fiber)は、アクリル繊維 または ピッチ ( 石油 、 石炭 、 コールタール などの副生成物)を原料に高温で炭化して作った 繊維であり、 JIS規格 では「有機繊維の プレカーサー を加熱炭素化処理して得られる、質量比で90%以上が 炭素 で構成される繊維」と規定されています。

 炭素繊維の長所を一言で言うと、「軽くて強い」という点です。鉄と比較すると比重で1/4、比強度で10倍、比弾性率が7倍もあります。その他にも、高剛性、高強度といった特徴以外に「耐摩耗性、耐酸性、電気伝導性、耐熱性、低熱膨張率、自己潤滑性、X線透過性」といった特徴も兼ね備えており、それらの特徴を生かすことで軽量化・大型化・小型化・省エネ化などが期待でき、様々な用途で幅広く使われています。

 短所としては、製造コストの高さ、加工の難しさ、リサイクルの難しさが挙げられます。また、素材自体が異方性を持ち、どういった形で積層するか、また、損傷を受けた場合の破損の判断が難しく、クリティカルな状況での使用は細心の注意が必要となります。

 この炭素繊維を使った複合材料として、近年、脚光を浴びているのがCFRPです。
CFRPとはFRPの一種です。FRPは、2つ以上の素材を組み合わせた複合材料(コンポジット)で、プラスチック(樹脂)を母材(マトリックス)とし、そこに繊維を強化材として加えることで、プラスチックの軽量、高い成形自由度といった特徴に加え、繊維のもつ高剛性・高強度な特性も併せ持つことが可能です。

 FRPの中でも、炭素繊維を強化材として加えたものがCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics=「炭素繊維で補強・強化された樹脂」の頭文字をとった略語)です。この軽くて強いという優れた性質をもつCFRP(炭素繊維強化プラスチック)は、航空機や自動車の構造材料として用途拡大が期待されています。

 この炭素繊維やCFRPにおける様々な加工技術(成形、切削等)に関する課題解決を支援することが当生産技術コンサルティングにおける当面の目標として活動しております。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/carbonfiber


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専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

熊田茂雄プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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