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熊田茂雄プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

ライン廃却について

熊田茂雄

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テーマ:工場管理

 今回は、以前、店じまい活動で述べた内容を具体的に実行する場合の進め方について、特に対象ラインの廃却をどう判断していくかについてコメントします。

 以前述べたように、工場としては、極少量生産期のラインは活気のない、暗いイメージのものとなっています。(場所的にも、面積的にも工場として重荷になっているイメージ)このイメージを脱却し、次のステップに前向きに進めることが、店じまい活動の主目的となります。また、一方では、企業として新しい活動をしていくための資産(設備、型、治具等)や場所(面積)を効率よく残していくための活動とも言えます。

今回は、この目的に沿って、ライン廃却を進めていく手順について簡単にコメントします。
①生産終了の確認
 ライン廃却を進めていく上で、廃却の対象ラインの生産が完全に終了していること(補用品、補給品は別)が大前提となります。したがって、営業部門等から対外的に、量産品の終了確認を行ってもらう必要があります。

②生産数量予測を行う
 今後予想される補用品、補給品の数量を専門部署(生産管理部署等)に予測してもらう。数量予測は、納入先での予測が一番安心できるため、ベストは営業等からの問い合わせとなりますが、一般的には回答が戻ってくることは稀です。(よほどの年数が経過し、打ち切りが明確なものは別)回答がない場合は、供給側として責任を持った形での数量予測となります。(会社としての経験則、考え方を明確にして予測パターンを決めておくことが必要)

③方向性を比較評価する。
 ②の生産数量予測が決定されれば、
A;ラインを廃却する場合のコスト(予測数を作るコスト、製品を保管するコスト、出荷時の再検査コスト、設備廃却費用等)
B;作り続けた場合のコスト(必要面積、生産/出荷コスト、メンテナンスコスト、設備簿価等)
AとBの比較から、ラインを廃却すべきかどうかを検証し、方向付けすることになります。
Aが優位の場合は、ライン廃却に移行可能となり、Bが優位の場合は、もうしばらく時期を待つという判断に移行する等の形となります。

 この店じまいの課題は、製造業であれば、どんな業種においても存在する内容であると思います。(生産ラインだけでなく、設備単体、治具、型においても同様な考え方、進め方が必要になります。)

 この店じまい活動で対象となる、老朽化したライン、設備、型、治具をどのように扱っていくのか、ごく少量品流動への対応をどうするのか(ライン廃却するのか、改造して残すのか・・・)、これらの判断基準はどうするのか? 等 の方向性に対し、具体的に指導・支援していくことが、コンサルティング対象となります。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/lineretirement


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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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