鍛造加工について
「ばね」は、「たわみを与えたときにエネルギーを蓄積し、それを解除したときに内部に蓄積されたエネルギーを戻すように設計した機械要素」と定義できますが、そのばねにも様々な種類があります。
形による分類では、コイルばね、渦巻きばね、皿ばね、板ばね・・・等がありますが、ここでは比較的小物のコイルばね(線、棒状または板状の材料をらせん状に成形したばね)を取り上げてコメントします。(特に圧縮ばねとして自動車部品等の機能製品の構成要素として比較的頻繁に使用されており、製造方法も興味深いことから選定)
コイルばねの加工方法としては、冷間(常温)でのコイリング工程、低温焼きなまし(残留応力除去、寸法安定化)、端面研削(線径が1mm以上のとき実施、バネ指数(コイル中心径/線径)が10以下のとき実施、両面研磨;直角度確保)、ショットピーリング(疲れ強さの向上、バリ取り、スケール除去)、低温焼きなまし(ショットピーリングした場合のみ)、セッチング(ばねのヘタリ防止)、防錆処理(防錆油の塗布やメッキ、塗装等)等が行われます。(対象部品の要求仕様に応じ、省略される工程有)
特にコイリング工程は専用のコイリングマシン(NCコイリングマシン・カム式コイリングマシン・旋盤式コイリングマシン等)によって行われるもので、素材である線材の状態から ばね仕様であるコイル径、巻き数、自由高さ、荷重、ばね定数等、品質の大部分が決定される形までを造り込む重要な工程です。
このばね加工については、コイリング、ショットピーリング、セッチング等、各社独自の専門性の高い技術が導入・展開されていると思われますので技術支援対象とはなりませんが、発展的な改善(他技術と関連させた応用展開、生産性向上(作業性、自動化等)、品質向上(PFMEA対応、不具合対策等))について、助言できる部分があれば コンサルティング対象とさせていただきます。