SDGs12について
今回は、最近よく耳にするペロブスカイト太陽電池(perovskite)について、コメントします。
ペロブスカイトの名前の由来は、1839年、ウラル山脈で黒光りする石が発見されましたが、これはチタン酸カルシウムという金属酸化物で、ロシアの鉱物学者ペロフスキーにちなんで、「ペロブスカイト」と命名されました。この金属酸化物は結晶構造が特徴的で、現在、これと同じ結晶構造をもつ物質を総称し、「ペロブスカイト」と呼ぶようになったと言われています。
ペロブスカイト太陽電池とは、太陽の光エネルギーを電気に変換する結晶構造を持つ、ペロブスカイトを用いた「ペロブスカイト半導体」を使った太陽電池です。
ペロブスカイト太陽電池はシートに印刷して折り曲げることができるなど、いままでの常識を大きく覆す太陽電池です。
一般的な太陽電池に共通した仕組みとして、太陽の光エネルギーを受けると、半導体の材料の電子のエネルギーが高まり、導電性の電極に流れ込んで電流が発生します。この半導体の材料にシリコンを使ったのがシリコン太陽電池であり、ペロブスカイト太陽電池は鉛のペロブスカイト結晶構造に太陽の光エネルギーをあてる仕組みです。
ペロブスカイト太陽電池は、太陽の光エネルギーから電気への変換効率が飛躍的に向上してきています。シリコン太陽電池と同程度に迫る変換効率を実現したとする研究結果も打ち出されているほど、研究開発が進んでいる模様です。
ペロブスカイトは、赤外光の領域で集光能力が下がるものの、可視光すべてを吸収し、しかも安価になると予測されています。
ペロブスカイト太陽電池の電気料金は、シリコン太陽電池より安くなるのはもちろん、石炭火力発電とほぼ同額か、それより安くなると期待されています。
中小企業としても、近い将来、この素材と関連する技術(生産技術含む)に関わる場面が訪れることになると思います。
(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/perovskite