BIツールとは
先回、ドイツの掲げる未来社会のコンセプトである、インダストリー4.0 について言及しましたが、それに対峙する形で日本が提唱するソサエティー5.0(Society 5.0)というものがあります。インダストリー4.0と同様、生産技術分野においてもその方向性を見出すための指針として無視することはできないため、今回はこの内容についてコメントします。
まず、基本的な内容として、ソサエティ5.0とは、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会(Society)」という形で内閣府の『第5期科学技術基本計画』にて定義されています。
内閣府によると、Society 4.0までの社会は、「Society 5.0は、Society 1.0からSociety 4.0に続く新たな社会を指す」とされており、それぞれ狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)と定義され、社会はこのような順序で進化・発展してきたということであり、この人類がこれまで歩んできた社会に次ぐ第5の新たな社会を、デジタル革新、イノベーションを最大限活用して実現するという意味で「Society 5.0(ソサエティー5.0)」と名付けられました。
(以上 ウィキペディア(Wikipedia)より)
以前に言及したドイツの掲げるインダストリー4.0 は主にICTやIoTによる製造業の革新や生産性の向上にのみ焦点が当てられていましたが、Society 5.0は、ICTやIoTなどのデジタル革新により「社会のありよう」を変えることによって、社会が抱える様々な課題を解決しようとする、包括的なコンセプトであるという点で異なっていると言われています。
一方、ソサエティー5.0を実現するための要素技術として以下の6つのテーマが挙げられてています。
①CPS(Cyber-Physical System)における知覚・制御を可能とする人間拡張技術、つまり人間強化
②革新的なAI用ハードウェア技術とAI応用システム
③AI応用の自律進化型セキュリティ技術
④情報入出力用デバイスおよび高効率のネットワーク技術
⑤マスカスタマイゼーションに対応できる次世代製造システム技術、つまり低コスト特注品製造技術
⑥デジタルものづくりに向けた革新的計測技術
また、これらのソサエティー5.0の要素技術を実現させるためには、その鍵となる技術として、IoT、ビックデータ、人工知能(AI)、ロボットが挙げられています。
上記のようにソサエティー5.0 の視点から予測される取組みテーマの多くが、先回言及したドイツの掲げるインダストリー4.0と目指す視点は若干異なるものの、技術という側面からは基本的にほぼ同様な内容であり、生産技術、工場管理に関連する分野としても、IoT、ビックデータ、人工知能(AI)、ロボット等の技術をさらに発展し、具体化した様々な取り組み事項としてとらえて行くべきものと考えます。
中小製造業における 今後の ソサエティー5.0 としての取り組みの テーマアップ や 推進 に対する支援が、生産技術コンサルティングの対象となります。
(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/society5