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Tier1(ティア1)企業のあり方

熊田茂雄

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テーマ:経営コンサルティング

 当生産技術コンサルタントが、2022年から2023年にかけて、大手自動車会社のTier1企業を対象にコンサルを実施してきた中で、「Tier1のあるべき姿になること」という課題に対し取り組み、検討した経緯があったため、そのあるべき姿とはどういうことなのかについて少し整理してみました。

 まず、おさらいになりますが、基本的に自動車業界におけるTier1やTier2の意味は、OEM(カーメーカー)との取引関係にあり、下記のようになります。
 ・Tier1:OEMと直接取引をしている会社・またはその部品
 ・Tier2:Tier1と直接取引をしている会社・またはその部品
 ・Tier3:Tier2と直接取引をしている会社・またはその部品

 上記の位置づけにおいて、Tier1のあるべき姿としては ①OEM(カーメーカー)に対し高い信頼を受けること。②Tier2以下の企業の適切な管理をおこなうこと。 ③Tier1として、自社の管理体制、運営能力が優れていること。などが考えられます。

 以下順にその内容についてコメントします。
(今回は生産技術側面からのコメントであり、包括的な意味合いについてはこの延長線上にあるとご推察ください。)
①OEM(カーメーカー)に対し高い信頼を受けること。
 Tier1の位置づけとしては、OEM(カーメーカー)に対し、Q(品質)C(コスト)D(対応納期)すべてにおいて、満足されるべき存在であり、生産技術分野においても、対応製品において高い生産技術力を保持していることが求められているということです。

②Tier2以下の企業の適切な管理をおこなうこと。
 Tier1としては、Tier2以下で生産している部品(素材も含む)に対しても、その管理責任があり、スルーで見た品質管理が重要となります。生産技術分野においても、仕入先(Tier2)の工程監査などに対応し、製造のプロとしての指摘・指導をしっかり行うべきことは言うまでもありません。

③Tier1として、自社の管理体制、運営能力が優れていること。
 新製品の初期流動管理、流動品のトラブル対応、日常管理、各種改善など、高いレベルの管理体制、運営能力を持つことが重要であり、生産技術としても、特に生産準備、製造対応において中心的に対応することが要求されているということです。

 注)参考;一般的に、Tier1とは、ビジネスプロセス、あるいはISP(インターネットサービスプロバイダ)などにおける階層のことを意味する用語です。Tier(ティア)とは、直訳すると段、列、階層を意味します。Tier1は、ISPの中でも最上位に位置する企業や組織のことを指します。Tier1企業は、インターネットのバックボーンを構築し、他のISPと接続することで、インターネットの全体像を形成しています。

 自動車業界におけるTier1やTier2の意味については、本文に記載した通りの内容となります。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/tier1


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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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