コンカレントエンジニアリング
新製品・類似製品対応、(工数低減、品質改善、安全確保等の)日常改善業務で、各種加工工程に使用される設備(製品・部品の加工、処理、検査のため等)の製作依頼のための仕様を検討することは、生産技術者としては大きなウェイトを占める業務です。その作成、検討の際の基本事項についてコメントします。
【設備仕様書の基本事項】
①設備見積依頼書(概要);
・対象設備名;工程名、加工名、目的等を簡潔に表す設備名称とする。
・使用目的;対象製品・部品、対象工程、加工内容、設備使用目的等を明確に記入する。
・依頼内容;使用部署、設備設置納期、依頼数、概算費用等を記入する。
・操作条件;全自動、半自動、手動、作業人員、持ち台数、
・設備;大きさ(間口、奥行き、高さ)、重量、搬入方法
・見積条件;発注するための費用を見積ることを目的とした記述(見積範囲、有効期限等)
・その他;設計範囲、関係法律他
②加工能力指示書;
サイクルタイム、生産能力(月産)、稼働率、段取り時間、対応機種、材料供給、不良品処置等 設備の加工能力に関連した内容を指示する。
③加工条件書;
工程ごとに 加工手順、加工基準、加工方法、加工条件(圧力、時間、温度等)、加工部分(特定)、必要寸法等を(図示を含めて)詳細記述する。
④工程能力指示書;
加工品の出来映え評価項目(評価内容、サンプリング数、計測方法、評価基準(Cp、Cpk、不良率)等)を指示する。
⑤その他;関連情報(添付等);
安全性、作業性等に関する注記、製品・部品図面、レイアウト図面等を添付する。
以上が、設備設計及び製作部署に依頼する内容の基本となりますが、一般的には標準帳票化しておき、抜けのない内容となるような仕組みを作っておくことが必要です。
設備の設計・製作の依頼先としては、社内の場合、社外(発注先)の場合等、様々ですが、いずれにしても、仕様書の内容を明確にしておくことが、設備の品質、コストに影響することになります。(依頼者の意図を正確に伝えるため、依頼内容の調整ロス、伝達ミスを防ぐため等)
この生産技術部門が行う設備仕様作成における標準化の方法、検討内容等に関する指導・支援がコンサルティング対象となります。