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限度見本(criteria sample)の在り方についてコメントします。限度見本という表現をしていますが、目視判断を対象としている以上、厳密な意味での限度ではなく、一般に、良品見本、不良品見本と呼ばれている内容の物も限度見本という表現の範疇に入れた形でのコメントとなります。
限度見本(良品見本、不良品見本含む)設定の目的はいくつかありますが、代表的なものとして3つ挙げると、
①定量的な検査が難しく、定性的な判断に頼らなくてはならない製品又は半完成品の出来映え評価のために設定するもの
(例えば、半田付けのつや、ピンホール、フィレット形状等の項目;すべての見本を作成することは困難であり、定性的な内容を付記した形で代表的にサンプル化するのが一般的)
②定量的な判断は可能であるが、工数がかかる、高度な技術を要する(コストがかかる)等の理由で、目視全数検査とした製品又は半完成品の出来映え評価のために設定するもの
(例えば、接着剤、シール材の塗布量等、不定形材料の量の確認等)
③傷、打痕、欠け等、良否判定基準の設定自体が困難であるが、現実に発生しているものに対して何らかの制限を加える必要のある事象に対し、流動品の中から抽出しサンプルとして設定するもの
(傷、打痕、欠け等の大きさや数量を確認してサンプルを設定)
以上、従来の限度見本設定内容の一例を述べましたが、昨今の視覚装置の精度向上、AIによる分析・判定能力の向上により、限度見本設定に対する改革が行われてきている状況であると思われます。ただし、その改革を進める場合でも、AIによる判定基準設定の材料となるデータ・情報に対する技術的根拠となる部分の考え方については、従来の限度見本設定に対する経験知が十分に役立つものと考えます。
以上のような、限度見本(良品見本、不良品見本含む)の在り方、設定の進め方、さらにはAIによる新しい判断基準設定に対する考え方等に対する 支援、指導が生産技術コンサルティング対象となります。
(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/criteriasample