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標準作業表作成要領について

熊田茂雄

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テーマ:QMS

 比較的安定した(繰り返しの多い)作業内容に対し、標準作業表(正式には標準作業組合せ票と呼ばれている)を作成し、作業改善のツールとして使用される場合が多いですが、その内容について標準作業表作成要領という形でコメントします。

 標準作業表は一般的には製造ラインの作業改善のツールとして使用されますが、ここでは生産技術者が工程設計する際の仕様検討の道具として使用するべきという立場に立った内容についてもコメントします。

(標準作業表作成の目的)
 次のことを目的として標準作業表を作成します。
  ①作業順序と作業時間の経過が一目で容易に判断できる
  ②作業改善の切り口を見つけるためにも有効なツールとなる
  ③教育訓練の際、標準作業表に対して、どこが不足しているか客観的に判断できる
  ④設備仕様検討の際、ハンドタイム、マシンタイム等のあり方を確認する道具となる
  ⑤ラインレイアウト検討の際、設備配置、通路幅(歩行距離)等について検証可能となる
  (④⑤は生産技術の工程設計段階での使用目的です。)

(標準作業表の内容)
 標準作業表は、タクトタイムを基準として、人の動きと機械の動きを組合せ、1人がどれだけの範囲を担当し、作業の順序をどのように行なうかを決めるツールです。標準作業表では、標準作業を行なう「人」と「設備」の動きの組み合せを描きます。タクトタイムを基準とし、誰がどれだけの範囲を受け持ち、どのような手順で作業をするかを決定することができます。また、生産技術者としては、設備のマシンタイムの検討、人の動き、設備の大きさや配置を検証し、最適なラインレイアウトを検討する際に有効な道具となります。

(標準作業表のメリット)
 標準作業表を描くと、作業手順と作業時間の経過が容易に判断できるので、作業改善の切り口を見つけるために有効です。また、一定期間が経過した後も、この表と現状の作業の違いを容易に判断することができます。

 製造ラインとしては、ラインの先頭にこの(最新の)標準作業表を掲示し、日常的に現在の作業内容を皆に周知させることにより、安定した作業となることが期待されます。

 生産技術としては、工程設計の際、この標準作業表による検証を行っておけば、たとえ生産数量が変動しても、不測の事態が起こらない作業が可能となる設備、レイアウトの設定ができることが期待されます。

 これら多くの利点のある標準作業表を作成し、維持していくための社内要領の構築をすすめるために「標準作業表作成要領」を規定すべく 指導・支援することが生産技術コンサルティング対象となります。


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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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