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ロボットティーチング

熊田茂雄

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テーマ:ロボット

 製造業におけるDX化が進む現在、産業用ロボットの存在は重要であり、そのロボットを導入するうえでティーチング作業は重要な工程となります。そこで今回はロボットのティーチング(Robot Teaching)の基本的な内容についてコメントします。

 産業用ロボットを動かすには、あらかじめロボットにどのような動作をさせるのか記録する必要があり、これをティーチングと呼びます。一般的な産業用ロボットは記録された動作を再生するティーチングプレイバック方式を採用しているので、動作を記憶したプログラムを設定しておかないと、導入した産業用ロボットを動かすことができません。

 ティーチングには、大きく4つの方法があります。以下にそれぞれの内容について簡単に説明します。
①オンラインティーチング
 オンラインティーチングは、産業用ロボットを導入するラインや設備上で行うティーチングです。専用のティーチングペンダントというコントローラとロボットをオンラインで接続し、ロボットに実際の動作をさせながら記憶させます。ティーチングに関する専門的な教育を受けた「ティーチング作業者」が必要となり、誰でもオンラインティーチングができるわけではありません。
 ティーチングは生産ラインを止めながら行う必要があるため、短時間でティーチングを完了しないと生産のロスや新規ラインの立ち上げが遅れてしまいます。

②ダイレクトティーチング
 オンラインティーチングを効率よく実施する方法として、ダイレクトティーチングがあります。ダイレクトティーチングとは、ロボット作業者がロボットを直接触って動かすことで、その動きを再現するプログラムを作成する方法です。専門知識や特別なスキルを必要とせず、直感的にプログラムを生成できる点がダイレクトティーチングの特徴です。ダイレクトティーチングでも教示しきれない軌道の微修正は、プログラムによって可能です。

③オフラインティーチング
 オフラインティーチングは、ロボットを導入するラインや設備上ではなく、机上で作成したプログラムをロボットに読み込ませる方法です。生産ラインを停止する必要がなく、新規ラインの立ち上げ時にもライン立ち上げ準備と並行して実施できるため、生産ロスの発生を避けられます。
 一方で、机上では問題ないと思って構築したティーチングデータでも、実際にロボットで再生すると位置がずれていたり、動作速度が期待通りとならず、調整が必要になる場合があります。

④AIティーチング(オフライン+オンラインを組み合わせたティーチング)
 オンラインとオフラインを組み合わせたのが、AIティーチングです。予めオフラインティーチングで実現したい作業をプログラミングし、それを元にライン上でロボットを稼働させると、ロボットに搭載されているAIが実際のライン上での稼働データを分析し、動作精度を向上させていきます。
 通常のティーチングではプログラム通りの動きしかできませんが、AIによるティーチングを行えば、ロボットに入力される画像などの外部情報を元に、柔軟な作業を行うことが可能です。ライン上でのティーチング作業を省人化できることから、今後はAIによるティーチングが可能なロボットの普及が進んでいくと考えられています。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/robotteaching

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専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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