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ESD対策について

熊田茂雄

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テーマ:工場管理

 電気電子部品などの組付け等におけるESD(Electro-Static Discharge:静電気放電)対策についてコメントします。

 ESD対策(静電気放電対策)についてコメントする前に基本的な内容として述べると、「静電気」と「一般的な電気」との違いは、とどまって動かない=帯電する電気が「静電気」のことで、「一般的な電気」は導線を伝って流れて動力源として働きます。ところが、とどまって動かない静電気は、帯電量が大きくなり電気の流れやすい物体がそばに近づくと、「放電」という現象が発生しトラブルとなります。また、引き付ける力もあるため、「吸着」という現象でもトラブルとなってしまいます。

 これらのトラブルを発生させないようにあらかじめ行うのがESD対策となりますが、その対策の基本的な考え方、進め方について列挙すると以下のようになります。
1.アース(接地)を取る
 静電気対策の基本は発生した静電気を留めておかず、アースする(大地に逃がす)ことです。
帯電する可能性のある導体はすべてアース線から大地につながるようにします。
静電誘導に対しても、アースすることで電荷のバランスが保たれます。

2.電位差を作らない
 アースを確保できない場合はこの方法です。
帯電する可能性のある物と静電気に弱い機器を短絡することで、二つの物質は静電気的には一つの物質になり、電位差が生じなくなります。
結果的に電荷の移動がなくなり帯電しなくなります。

3.静電容量を大きくする
 アースを確保できない場合のもう一つの方法です。
静電容量の最も大きい大地(地球)とつながることができない場合、多少の静電気が発生しても放電にまで至らない容量を確保できる場合があります。
ただし対策としては不確実であり、実際の現場での常用はおすすめできません。

4.中和する
 対象物が絶縁体の場合など、1~3の対策で効果がないときには、静電気除去機(イオナイザー)を使います。
プラス・マイナスのイオンを吹き付け積極的に電荷の偏りを中和します。

(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/electrostaticdischarg

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熊田茂雄
専門家

熊田茂雄(生産技術コンサルタント)

PEC-KUMATA 生産技術コンサルタント

工程設計や工場管理に40年以上従事した現場経験をもとに、生産技術コンサルティングを提供。品質改善や生産性向上などQCD課題の改善策とあわせて、先端技術や異分野を取り入れた技術方向性もアドバイスします。

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