DC/DCコンバータ
EV(電気自動車)が身近になってくるとともに、EVの電力系統を制御するEVインバーター(EV Inverter)という言葉を耳にする機会が増えてきました。
電気自動車におけるインバータは、バッテリーから供給される直流電力(DC)を交流電力(AC)へ変換する装置です。
これは、電気自動車に搭載されているトラクションモータの多くは交流で動くためです。
トラクションモータの出力(30kW~400kWほど)に合わせてインバータの出力を設定します。
通常、車に搭載されているインバータの数は1~2個程度です。
ただし、インホイールモータ式(タイヤごとに1つのモータで駆動する方式)の場合は、それぞれのモータに対してインバータが必要になります。
交流から直流に変換するコンバーターが、基本的に電気の方向を揃える(整流する)だけなのに対し、インバーターは、やや複雑なものになります。直流から交流への変換は、プラスとマイナスの極性はそのままに静かに流れる直流に対し、極性が常に入れ換わるというアクティブな状態を作り加える必要があるからです。
EVインバーターにより、さまざまな周波数の交流を作り出せるということで、特に交流(AC)同期モーターとの組み合わせではきめ細かい回転数制御が可能となります。
そして、この特徴は幅広い回転域でモーターを運転することが要求される自動車にはなくてはならないもので、耐久性に優れる交流同期モーターならではの素性と相まって、現在のEVやHEVを支える主幹技術のひとつとなっています。
今後は、中小製造業においても、EVでは必要不可欠となるこのEVインバーターに関係する製品(部品)を取り扱うことになることが多いに予想されます。
(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/evinverter